こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。
2年ほど前でしょうか、あることに気づきました。
それは、お店で支払いをするときに店員さんの顔を見ていない自分です。
商品をレジに持って行き、支払いをして、商品を渡されるまで、私は店員さんの顔をほとんど見ていませんでした。
何を見ていたかとういうと、商品か、自分の財布か、渡す時のお金か、渡された商品か・・・といった具合に、顔を下に向けてばかり。
そのことに気づいたきっかけというのは、とても素敵な明るい声で「ありがとうございました。」と声をかけてくれた店員さんがいたからです。その声を聞いた瞬間、私は顔を上げて、店員さんの顔を見てハッとしました。
「私は人の顔を見て買い物をしてないんだな〜」
「単にお金を払って商品を受け取っている私って・・・もしかして、これまで不愛想な接客だと感じていた時は、そもそも私が不愛想に見えていたんじゃないだろうか。」
それからというもの、お金を渡すとき、商品を渡されるときなど、店員さんの顔を笑顔で見ることにしました。そうすると不思議なことに、店員さんを無愛想だと感じることがほとんど無くなりました。なおかつ、笑顔でいるだけで自分の心も明るくなると感じています。
前回は、イライラは人を傷つけ、自分にも戻ってくるブーメランという話を綴りましたが、笑顔もまた同じです。
私たちの脳には、ミラーニューロンというわれる神経細胞があり、これがコミュニケーションに大きく関わっていると言われています。
ミラーニューロンは、相手と同じ表情やしぐさをすることで、相手がどういう状況でどんな気持ちなのかを察するための神経細胞です。相手がいまなぜ笑っているのか?なぜ怒っているのか?悲しんでいるのか?などを察するために必要な脳神経です。
ミラーニューロンがあることで、良きにつけ、悪きにつけ、私たちは周囲の人から影響を受けていることになります。
例えば、チームの中に不機嫌な人がいると、チーム全員の気分ももやもやとしたものになった経験はありませんか?不機嫌な人がチームのリーダー的な人や影響が強い人であればなおさらではないでしょうか?
そういえば、笑い袋を聞いていたら、笑いたくなるというのが不思議でしたが、こういうことなんだろうと思います。
しかも、笑顔になるだけで、自分の心も不思議と明るくなります。口角が上がると脳は笑ったと認識して、落ち込んでいたり、怒っていてもその気持ちが和らぎます。
私は、夫と喧嘩をしたとき、最初はそれほど怒っていなかったのに、怒ったことを見せるために怒った顔をしていると、怒りの気持ちが増して行ってエスカレートすることがあります。
試しに、無表情でぶっきらぼうな顔をしばら続けて、その後、口角を上げて笑顔になって見た時の気持ちの違いを味わってみてください。口角をあげるときに、頬骨のあたりも上がるように意識するとさらにいいですよ。
スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガル教授は、その著書「スタンフォードの自分を変える教室」の中で、意志力はうつる(感染する)というお話を書かれています。他者の欲求や感情、行動、目標もなど周囲の様々なものが私たちに影響してくるんだそうです。
他者から影響を受けるのであれば、私たちも同じように他者に影響を与えているんですよね。もし私が、周囲の人に影響を与えるのであれば、それはやはりポジティブなものでありたいと思います。
笑顔はその一つ。
スマイルブーメランを飛ばして、みんなが笑顔で過ごせるように。
これからますます、笑顔でいようと思います。
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