受け入れるというのは?

 

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フリーアナウンサー

キャリアコンサルタント の三島澄恵です。

組織を強くする質の高いコミュニケーションをテーマに

様々な視点からお伝えしています。

 

 

聞き方の研修でお伝えしている一つに、

聞く時の心構えのようなものがあります。

 

それは、受容・共感・興味です。

 

受容。

受け入れるということを聞くと、

「相手の話が正しいと思わなければいけないのか?」

そう考える人が意外に多いのではないでしょうか?

私も以前は、そのように捉えていました。

 

けれど、受け入れるというのはその言葉通り、

受け入れるだけです。

 

正しい。正しくない。

良い。悪い。

そういったものを聞き手が判断するのではなく、

「そういう考えもあるんだな。」と

ありのままに受け取るということです。

 

前回ブログで、「相手の問題は相手のもの」という話をしました。

相手の考えは相手のものであり、

あなたにはあなたの考えがあるというだけです。

 

しかし受け入れることを、

相手の考えが正しいというサインだと考えていると、

もし相手と違う意見を持っていると、

話を聞きながら、相手のことを否定しまいがちです。

 

例えば、仕事で上手くいっていないという相談を

部下がしてきたとしましょう。

 

その時によくあるのは励まそうとして、

「いや、そんなことないよ。

あなたはちゃんと頑張っているよ。」というもの。

 

誰しも落ち込んでいる人や悩んでいる人を見れば

励ましたくなります。

それが普段頑張っている部下であればなおそうです。

 

しかしこれは、相手の話をそのまま受け取らず、

「そんなことはない。」と否定しています。

 

部下本人は、上手く行ってないと思っているのです。

上司がどんなに励ましても、

本人が納得しなければ、

いつまでもモヤモヤした気分が残ったままです。

 

何が上手く行ってないのか?

事実を明確にして、

それに対して、どのように考えていたり、

どのような対処法を考えているのかを、

本人に聞いていくことでモヤモヤが取れます。

 

そうやって部下自身が自分の考えを整理できたところで、

上司として、どう見えているかを伝えれば、

部下に対する励ましが伝わりやすくなります。

 

現代のカウンセリング手法の基礎を築いた

アメリカの心理学者カール・ロジャーズは

カウンセリングに必要なのは

「受容・共感・自己一致」だと言っています。

 

「受容」

言うは易しですが行うのは難しいものです。

 

相手の話を聞いている時に、

自分がどんなことを考えて聞いているのか?

一度、その点を意識してみてると、

自分の聞き方で気づく点があると思いますよ。

 

 

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相手の問題は相手のもの

 

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前回のブログでは、聞き役のはずなのに、

いつの間にか話し役になっているというお話を書かせていただきました。

その中で、聞き役の時は、自分の経験や解決策はタイミングを見て話す方が

効果があるとお伝えしました。

聞き役が自分のことを話すことで

相手との信頼関係を深めたり、

相手の考えをより深めらたりすることがあるのです。

 

例えば、相手と同じような経験や境遇を持っている場合、

それを伝えることで、相手はあなたが理解してくれるかもしれないと感じ、

より親密度や信頼関係が深まります。

 

例えば、相手が全く知らない情報や解決策があれば、

それをヒントや提案として伝えれば、

相手はそれを元に、新たな考え方をできるようになります。

 

ただ注意が必要なのは、

どんなに似ている経験や境遇があったとしても、

相手とあなたは違うということ。

相手が知らない知識や解決策を伝えたとしても、

決めるのは相手だということ。

何より、相手の問題は相手のものであること。

私たちは相手の人生を生きることはできないということ。

これをいつも心に留めておくことです。

 

そして話すタイミングは相手の話を聞いてからです。

しかも、相手が話したいことを話し終えるまで、

話の腰を折らずに、じっくりとゆっくりと聞いてからです。

 

その上で必要であれば、

あなたの経験や知識を話すことで相手の考えはより深まります。

しかし私が研修先の企業でよく見るのは、

打合せの際などに現場の人が話す以前や話している途中に

上司が全てを話そうとしている姿です。

 

部下は上司に気を遣い言いたいことが言えなかったり、

上司が先に結論を話すことで、

部下はそれ以上考えなかったり、

結果、自ら考え行動することを望んでいるはずの上司が、

自分自身でそれを阻んでいることに繋がっています。

 

私が働く人の相談に乗っている時に感じるのは、

こちらの経験や知識というのは、ほぼ必要ないことが多いです。

なぜなら、ちゃんと話を聞き、質問することで、

相手は自分の心の中で考え(内省し)答えを出すからです。

 

そして答えを出した後に行動へ移した時の部下との関わり方。

ここにもまたコツがあります。

 

今ではこのようなことをお伝えしている私も

30代半ばまでは、自分が全て正しいと思っている傲慢さがありました。

相手の話は聞いていましたが、

聞きながら自分の中で答えを出して、それを伝えていました。

しかもそれが全てであるかのように。

けれどそれでは、人は徐々に離れて行ってしまうんですよね。

 

上司から見れば、

部下は自分よりも経験が少なく知らないことが多いのではないか?

自分の方が経験が多いのだから正しい答えを教えなければなど

会社や部下のことを想い伝えることがほとんどでしょうが、

実はそれらが、部下がじっくりと考えるという過程を奪ってしまいます。

結果、部下の成長を阻むことにもなります。

 

相手が自分で考え、気づき、

そして、何をすべきかを自分で選び行動できるよう聞くこと。

そのために、本当に必要な時にだけ、

あなたの経験や知識をヒントや提案として伝えてみてください。

 

 

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