こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。
経営者のスピーチトレーニングや、企業での話し方トレーニングを行っていますが、その度に聞かれるのは「どうすれば、話し方はうまくなるんですか?」です。
話し上手になりたいと思っている人は少なくありませんし、私自身、自らの話し方には日々反省ばかりです。仕事柄、話すのが得意と思われがちですが、自分では全くそう思っていないんです。話し方が上手くなる特効薬のようなものがあれば、私が知りたいくらいです(笑)
それでも私は、話すことを学び始めてかれこれ30年。仕事として向き合い始めて25年ほど経ちました。
話し上手になるには、「1に熟考、2に練習、3、4が無くて、5に場数(アウトプット)。」という具合に、インプットしたものを考え、まとめて、練習を積み、本番を重ねていくという、とても地道な繰り返ししかないと実感しています。
ただ、それよりも大切なのは、自らの心持や、自分自身の在り方(生き方)だと感じています。なぜなら、話し方は自分そのものだからです。
政治家や経営者、芸人やタレントの方々などが、失言で失敗されている姿を多々見聞きします。言った本人は悪気なく使った言葉、うっかり言ってしまった言葉、ちょっとした目線や態度なども含めて、これらは、その時の心持ちや、その人自身がどのように生きているかというものが表れます。特に、急な対応を迫られた時や謝罪の時、その逆に気を抜いている時や自信が付いてきた時などは、その人の本質が見え隠れしてしまいます。
私の失敗談をひとつ。
ある企業の社長に謝罪に行った時のことです。
まずは即電話で謝り、その後、直接謝罪に伺いました。とにかく申し開きをせずに謝っていたのですが、途中、社長が、事の経緯を聞いてくださったので説明をしました。しかしそれが失敗でした。私の説明が社長には言い訳に聞こえ、その点を社長にも指摘を受け、さらに謝るという大失態。
今思い返しても恥ずかしい限りですが、ことの経緯を説明しているときに、私の心の何処かに「理由を知ってもらえれば許していただけるのでは。」という甘い気持ちが出てきたんだと思います。
「話し方は自分そのもの。」そのとき改めて、身に染みました。
自信を持って話すことは大切なことですが、自分のことを話し上手だと思っていると思わぬ失言をしてしまうことがあります。
自分の信念を持つということは大切なことですが、自分の話していることが全て正しいと思い込んでいると横柄な態度になり、周囲の人の応援を得られなくなることがあります。
そもそも、相手があなたの話を聞こうとしてくれなければ、どんなに上手に話しても伝わりません。まずは相手が、あなたの話を聞いてくれる土壌づくりが何よりも大切なことではないかと思うのです。
本当に話し上手な人は、難しい言葉を使ってできる人に思わせたり、流暢に話して格好良く見せたりせず、素直に、真摯に、謙虚に、情熱を持って向き合っている人です。
基本的なテクニックはたくさんありますが、その根底となる自分の在り方を忘れてしまわないように。この文章を綴りつつ、私自身取り組んで行こうと、思いを新たにしています。
今年は、年明け早々、3人方々のトークショーの司会を担当しました。
お二人目は、柳家花緑さん。
新年、初笑い。楽しいトークショーになりました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
次回もお付き合いください(^^)
ユナイテッドウェーブス合同会社