こんにちは。フリーアナウンサーの三島澄恵です。
ある企業の方から、最近は、会社を辞める時に弁護士を立てる若い人が増えているという話を聞きました。辞めるという意思表示を自分で直接言うのではなく、弁護士に代弁してもらうというのです。別段、会社の体制に問題があったわけでもなく、何か会社ともめているわけでもないにもかかわらずです。
その話を聞いて驚いたと同時に、「これでいいのだろうか?」と思ったのが、私の正直な感想です。
日本人は、自分の意見をはっきりと相手に伝えることはあまりしません。忖度という言葉が一時流行りましたが、「言わなくてもわかるだろう。」「言わなくても分かってくれ。」というような文化が根強く残っています。
誤解の無いように言いますが、私はこの文化は好きです。白黒はっきりさせず、曖昧でグレーな感じも時に必要だと思いますし、それが、日本人の優しさのひとつやおもてなしの精神にも通じているのではないかと感じるからです。
けれど、それとは逆に、世の中が多様化する今の時代には、やはり自らの考えをはっきりと話すという力は、これからますます求められると思うのです。
東京に出てきた頃、あるイベント現場で取りまとめをしていた制作会社の社長に言われました。
「欲しいものは欲しいと言わなきゃ出てこないよ。」と。
その時、私はイベントの司会で、司会台で使う手元用の明かりが欲しかったのですが、進行スタッフの人は忙しそうで声をかけられずにいました。結局、リハーサル前にあたふたしてしまい、制作会社の社長に指摘されたのでした。
以来私は、「欲しいものは欲しい。」と、現場でお願いするようになりましたし、日常生活でも、あまり考えすぎず要望を伝えるようにしています。まっ、歳をとったっていうのもありますけどね。(笑)
自分の意見をはっきり伝えるというのは、時として、とても勇気がいることです。それに慣れていない日本人にとっては、さらに難しいことなのかもしれません。
それでも、自分の人生を切り拓けるのは自分だけ。自分の人生を生きるのは自分自身。誰も代わって生きてくれません。
自分がやりたいことや自分の意思を自分で伝えることをせず、人に代わってもらうというのは、自分の人生を生きることを放棄しているようにさえ、私は感じるのです。自分の意思を伝える力は、人生を切り拓く力でもあると思います。
あなたは、どう考えますか?
大手建設企業様で4年前から研修をさせていただいています。
今年は、グループのトップリーダーのみなさんに「聞き方」の研修です。
「人の話をどう聞くか?」
ここにも、話し方のコツがたくさん詰まっています。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ご感想やご質問は、お気軽にお寄せください。