抽象的な話よりも具体的な話

こんにちは。フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoに登壇された一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション代表理事の諸橋寛子さんのトレーニングに関わらせていただいた本番までの4ヶ月間を綴っています。

前回からの続きです。諸橋さんのトレーニングがスタートしてからも、話す内容の調整はギリギリまで続きました。

その一つが、「より具体的で聴衆の心に届く話題であるか」です。

諸橋さんが財団を設立し、最初に行ったのは、放射能問題で外で遊べなくなった福島の子供達のための無料運動施設の開設でした。

諸橋さんは福島県郡山の出身。ご自身にもお子さんがいて、外で遊べない子供達の姿は、より強く心に残っていたのだと思います。私も諸橋さんから何度となくこの時のお話を伺いましたが、その話をされる時の諸橋さんの姿を見るたびに、故郷福島のために、福島の子供達のためにという想いがひしひしと伝わってきました。

スピーチの中には施設開設の話は入っていますが、しかしまた、非常にデリケートな話題であることも事実です。限られた時間の中で、誤解を与えるような表現があってはいけない。けれど、切実な現実を伝えたい。
そこを踏まえて、ディスカッションを行いながら一緒に調整をして行きました。

諸橋さんの話を聞いていると、震災後、福島の子供達の肥満率は一気に増加したというお話があり、この話を加えることにしました。具体的なデータを加えなくても、これだけでも十分に子供達が外で遊ぶことや体を動かすことがどれほど大切なのかが伝えられると考えたからです。

抽象的な話よりも、具体的な話。
さらには、話し手の実体験は説得力が高まります。

話す内容を考える時、心の奥にしまっていたり、すでに忘れてしまっているような経験を思い返してみることをおすすめします。一人で考えても良いのですが、もし上手な聞き役の人がいれば、その人に話してみてください。
トーク・スルーというテクニックがあります。これは、自分の考えていることを第三者に話すということです。話すことで記憶(脳)が刺激され、思わぬアイディアやヒントが浮かぶきっかけになります。

私がスピーチトレーニングを行う際は、このトークスルーのテクニックを使うようにしています。そうすることで、スピーカーの中にある思考が整理され、クリアになっていきます。

プレゼンやスピーチを控えているあなたも、誰かに話を聞いてもらってはどうでしょう?もしかしたら、話す力をアップさせる話題が湧き出て来るかもしれませんよ。

諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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