日本語の特徴を話し方に生かす

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先日から、綴っているTEDxKyotoで登壇された一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーションの代表理事 諸橋寛子さんのスピーチトレーニングで、私自身が改めて気づいた点をブログにまとめています。

昨日は、原稿を話すように読むという話でした。

今日は、日本語の特徴を話し方に生かすという点でお伝えします。

日本語の基本的な構造は、主語があり、その間に言葉が入り、通常最後に述語がきます。述語は、主語が何をした、どうしたなどの部分になります。

昨日例に出した「私は、フリーアナウンサーの三島澄恵です。」という文章であれば、「私は」という主語は、三島澄恵という部分に繋がらないと意味が成立しません。「私は」が「フリーアナウンサーの」の部分にかかってしまうと意味が違ってきます。

「私は」が「三島澄恵です」に繋がるには、私はの「は」の部分の音の高さが上がりすぎても下がりすぎても、意味が成り立たなくなります。

実際に、声に出して言ってみるとわかりやすいでしょう。できれば、録音をして聞き直してみてください

私はの「は」の音を上げて、「私は、三島澄恵です。」

私はの「は」の音を下げて「私は、三島澄恵です。」

どうでしょうか?なんだか不自然に聞こえ、意味のつながりがわかりくいのではないでしょうか?

さて例題は、「私は」と「三島澄恵です。」の間に、三島澄恵を説明する「フリーアナウンサーの」が入っています。フリーアナウンサーという言葉は、三島澄恵につながっていく必要があるわけです。そのため、「フリーアナウンサーの」の「の」の部分の音もまた、高が上がりすぎても下がりすぎても、意味が成立しなくなります。

最初にお伝えしたように、日本語は、主語と述語の間に、様々な説明が入ります。主語と述語の間に言葉が入れば入るほど、主語と述語が離れてしまい意味がわかりづらくなります。さらには、不自然なイントネーションがついたり、不自然な間を取りやすくなる原因になります。スピーチや挨拶、プレゼンテーションなど、人前で話す時はできるだけ1文を短くした方が、主語と述語の関係性が分かりやすくなります。それにより、聞いている人は理解しやすくなりますし、話し手自身も話しやすくなるわけです。

今、話す内容を考えている人は、この点を踏まえて文章を作ってみてください。文章を作ったら実際に声に出してみて、話しやすいかや聞き手がわかりやすいかを確認し、もう一度練り直してみてください。

昨日のブログに書きましたが、この不自然な音の上がり下がりは、原稿を見ながら話したり、または、覚えて話す場合に、誰もが一度は必ずと言っていいほどぶつかる壁です。
諸橋さんだけでなく、今回、TEDxKyotoで日本語で登壇された人ほぼ全員がこの壁にぶつかっていました。それを自然な話し方にするためのアドバイスやトレーニングについては、改めてお伝えします。

音の高低は、ブレスを取る(息を吸う)場所や間の取り方とも関係していますので、次回は、その点をお伝えしていきます。


諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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