声で表現する面白さ


先日、コロナ・ウイルスから人類への手紙を朗読しました。
お世話になっている方からお声掛けをいただき朗読したのですが、改めて声で表現することの奥深さや面白さを感じました。と同時に、まだまだ磨きをかけなければと、省みました。


こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。


これまでも、テレビの番組や企業や製品紹介、CMなどのナレーションは行ってきましたし、今も色々とお声掛けいただいています。

ナレーションを録るときは、通常は、映像があって、台本があって、ディレクターさんからどういう表現をして欲しいというオーダーがあるので、その希望に添いながら読んでいきます。
「もっと歌って!」これは、本当に歌うんじゃないんですよ。大きく表現をつけるというような意味です。他にも、「もっと軽く!」や「緊張感を漂わせて」など、同じ言葉を違う表現で録ることもあります。いずれにしても、こういう表現の指針がある中で読むので、私自身、とてもイメージを持ちやすいんです。

同じ言葉でも、ちょっとした表現で変化ってあるんですよ。
例えば、「みなさん、こんにちは」という一言を色々と言ってみるとこのような感じです。

*この部分は、radiotalkで聞いてみてください。

・元気な感じ
・怒っている感じ
・力強い感じ
・司会っぽい感じ
・優しい感じ

どうでしょう?
違うのわかります?
どの表現で読むのかは、内容や場面に合わせて違ってきます。


しかし、今回取り組んだコロナ・ウイルスから人類への手紙は、どういう表現をしたらいいかというのを判断をしてくれるも無く、自分で読んで、自分で客観的に聞きながらいい悪いを判断する作業でした。単に、自分で読んで、自分で楽しむ朗読ならどんな読み方でもいいのでしょうが、聞く人がいる・相手がいるということになると、どう聞こえているかというのを客観的に考えると言うのはとても大切なのです。
そうやって、録っては聞き直し、録っては聞き直しと何度も繰り返しました。その回数、およそ70回に及びました。
それでも、私の中では完璧ではないんですよね。


多分、他の人が聞いたら、たいして変わらない表現に聞こえるのかもしれないのですが、自分で聞いていると、細かなところが気になってしまいます。この言葉と言葉の間は、あとコンマ5秒欲しいや、文末に向かう速度をもっとゆっくりしたい、この場面からはイメージを変えたいなどです。



そして、何度も録り直していると、だんだん表現が変になっていくんです。変と言うのは、無駄に抑揚がついたり、間ができたり、妙に重々しくなったりなど、結局、最初の方に録音したのが、一番ストレートで素直に表現できていると思ったりもするものです。不思議です。

とはいえ、そのだんだん変になった表現から、さらに読みを重ねていくと、今度は最初の頃の素直な表現に加えて厚みが生まれるというのでしょうか、表現に深みが出てくるようになるなと、私は感じています。


声の表現というのはとても難しいです。
けれどだからこそ、とても面白いし、私は大好きです。



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