変化・進化・成長の素晴らしさ

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングでのことを綴ってきましたが、ひとまず今回で最終回です。

今回の諸橋さんのスピーチのテーマ「変化・進化・成長」
私は諸橋さんのトレーニングに携わりながら、その素晴らしさを感じ、かつ、改めて多くのことを教わりました。

話し方というのは、実はとても変えにくいものです。
なぜなら、その話し方で十数年もの間過ごし当たり前の動作になっていること、さらには、それで生活も仕事もできてきているからです。

そのためトレーニングを行っても、それまでの話し方に戻りやすく、「これまでのままでもいいかな」と思いがちになりやすいのです。

トレーニングをする側としては懸命に向き合いますが、受ける側の人が自分の変化を楽しみ、そして身につけるためにトレーニングを重ねるということも、成果を出す上では欠かせない要素です。

諸橋さんは、本番を迎えるその時まで、何度も何度も練習を重ねていらっしゃいました。本番の日も、出番のギリギリまで繰り返し練習をされていました。

みなさんがプレゼンテーションの達人としてよくご存知のスティーブ・ジョブズも、準備やリハーサルには余念がなかったと言われています。

例えば、5分間のデモを行うだけでも、数週間前から準備を始め、製品や技術の勉強も含め数百時間を費やしていたそうです。さらには、リハーサルは丸二日もかけて行っていたそうです。
この話は、「スティーブ・ジョブズの驚異のプレゼンテーション(カーマイン・ガロ著)」に記されています。

またその本には、マイケル・ジョーダンやウィンストン・チャーチルの話を例に上げ、トップクラスの人々は、みな、意識的に練習しているという話も書かれています。

話し方もやはり練習の積み重ね。練習を重ねることで、自分なりの自然な話し方を身につけ、さらには人に伝えるだけではなく「伝わる」話し方になるのです。

諸橋さんのスピーチの最後には、このようなメッセージがあります。

今日、会場にいらっしゃるみなさんも日々変化、進化、成長をして今を迎えていると思います。

時には、辛く苦しい出来事に立ち止まってしまい、前に踏み出せない日もあるでしょう。けれど、進化することで、できないことができるようになる喜びは、何事にも変えがたいと、私は思うのです。そうすることで、自分なりの幸せな人生を過ごすことができると、私は身をもって感じています。

『変化・進化・成長』
みなさんもぜひ、一歩、前にふみだしてみてください。」

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 9d15eddeec6949c96b6eeb0f560d70a4-1024x526.png です
TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん「変化・進化・成長」

変化・進化・成長は簡単なことでは無いことは、みなさんもお気付きかと思います。諸橋さんのトレーニングに関わり、諸橋さん自身が変化・進化・成長することを体現されている姿を目の当たりにし、私は様々な面で自らを振り返り、気持ちを新たにすることができました。

とても貴重な経験と、素晴らしいご縁に感謝しつつ、これからも、話し方のトレーニングを通して多くの人のサポートができたらと思っています。

TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

衣装の色が話す力をサポート

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先週までの2週間は、TEDxKyotoのスピーチトレーニングから少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしましたが、今週からは本番前や本番でのお話に戻ります。

今回は、衣装の色についてです。
人前で話すとき、皆さんは衣装や衣装の色を意識していますか?

今回、私は諸橋さんに白系の衣装をお勧めしました。その理由は、ステージの色とのバランスはもちろんですが、諸橋さんの凜とした強さを感じてもらえると考えたからです。(下画像:TEDvKyoto登壇の諸橋寛子さん)

TEDxKyotoのこれまでの映像を見た所、ステージは、ブルーやグレー、黒などの少し暗めな色が多く、赤字でTEDxKyotoの文字がバックに配置されていました。また、フロアには赤のマットが敷かれていました。

そういうところで、黒や濃紺、赤の色味の衣装を着てステージに立ってしまうと、どうしてもステージに溶け込み過ぎてしまい、スピーカーが沈んでしまいます。

今回のステージであれば、黄色や明るい緑、ゴールドなど色々と考えられるものがあります。しかし、諸橋さんの話す内容や諸橋さんの凜とした強さを出すことも考えると、そういう色味ではなく白がベストだと考えました。

今回のTEDxKyotoでは、諸橋さん以外にも14名の方が登壇されました。そのお一人お一人の衣装を見ても、それぞれの話やご自身の個性を表現されています。

ちなみに私は司会の時は、出演者の方々の衣装の色とかぶらないように事前に確認をしますし、イベントの内容によって衣装の指示があるので、それに合わせて決めています。

また、キャリアコンサルタントのように人に話を聞くこと(カウンセリング)が主体の場合は、相談者が話しやすいように柔らかい印象を与えられるようなベージュ系の色を意識しています。

みなさんも、人前で話すときは服装に気を配っているかと思いますが、そこに加えて色も意識してみてください。
もちろん、似合う似合わない、着ていて落ち着く落ち着かないなどもありますが、話の内容や話し手自身を表現する上でも、色というのは大切な要素です。

例えば、スーツを買い換えるのは難しくても、女性であればインナーやスカーフなどで色味を加えることができます。男性であれば、シャツやネクタイ、ポケットチーフなどで色味を加えることができます。

視覚要素である衣装とその色もまた、話す力を高める要素の一つです。
TPOに合わせつつ、かつ、話し手自身の想いが伝わる衣装と色選びを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。

ユナイテッドウェーブス合同会社
https://united-waves.jp
info@united-waves.jp

マイクはニギらないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」です。いよいよ本題です。

今回例に使用している下の写真のマイクですが、前回説明した指向性は単一指向性(カーディオイド)となっています。ちなみにSHURE(シュア)製SM58というマイクで、50年以上前に誕生し現在でも業界標準となっているものです。

SHURE(シュア)製SM58

下の写真が正しい持ち方です。音を拾う振動板の部分(銀色の金網部分)が何にも遮られておらず、設計通りのカーディオイドの性能が発揮されます。写真では上方からの音に対して最も感度が高くなります。

そして下の写真が、マイクを「ニギ」った状態です。

一見すると周りの音を遮って一方向からの音だけが入ってきそうですが、前回説明した通りマイクの指向性は後方からの音も振動板に届くことにより実現しています。この状態では後方からの音が振動板に正しく届かず結果として無指向性になってしまい、周囲の音360°に対して同じ感度となります。
この状態のマイクの音量を上げると、拡声したい音以外の音量も上がり、結果ハウリングが起こりやすくなります。

 

皆さんもカラオケに行ったときに、この持ち方をするとハウリングしやすいと思ったことはありませんか?見た目はかっこいいかもしれませんが、マイク本来の性能を引き出せていないのです。
プロのミュージシャンでもニギっている人がいますが、見た目重視であえてこの持ち方をしていることもあります。ただし、この裏で我々音響はハウリングを起こさないように非常に苦労しています。

我々のような音響がいないシチュエーションで、みなさんがマイクを使って話す機会も多々あると思います。そういう時は、ぜひ、マイクの持ち方に気をつけてみてください。

いかがでしたでしょうか?
6回に渡った弊社テクニカルスタッフ田村のマイクのお話。

講演会やイベント、コンサートなど、人が集まる場所で音は切っても切り離せない大切な要素です。
人間は視覚からの情報が多くを占めるため、ついつい映像や画像を効果的に使うことに意識が行きがちです。しかし、映像や画像が最悪使えない場合も、音がしっかりと聞ける状態であれば伝えることはできます。

その音の基本である声。
その声を効果的に届けるツールであるマイクは、話し手のみなさんの最強の味方です。

最後に、私がマイクを使う時に意識していることをお伝えします。
それは、口とマイクの向きです。

田村の話でお分かりのように、マイクの種類によって音を拾う角度が違います。普段よく使われている単一指向性は、マイク上部から音が入る仕組みで、真横(180°)からは音を拾いません。そのため、マイク上部から垂直に話せば一番音を拾いますが、そうすると、話しているときの息が当たって「ぼん、ぼん」という音が出てしまいます。これは、聞いている人にとって、とても耳障りで、内容に集中できなくなります。

そのため、私は自分の口元から拳一つ分ほど開け、口元から斜め下くらいにマイクが位置するように持っています。(下の写真参考)

時々、マイクに顎をつけて話している人や、マイクに口をつけて話している人を見ます。しかし、マイクは自分だけが使うものでは無く、次に使う人もいます。顎につけたり口につけたりすれば、皮脂や汚れ、唾液、女性であれば口紅やファンデーションをマイクにつけることになり、気持ちのいいものではありません。

また、あまりにマイクに近づいて大きな声で話してしまうと、音が割れてしまってとても聞きにくくなります。
逆に小さいと、マイクの音量を上げてハウリングを起こすことにつながります。

マイクを使うときは、自分の口元からの程度な距離や位置を本番前に確認することをおすすめします。そうやって事前に声を出すことで、緊張緩和にもつながります。

こういう使い方は、手に持って使うマイクも今回のTEDxで使われているヘッドセットタイプのマイクも同じです。

マイクは話し手の味方。
ぜひ、効果的に、かつ、丁寧に使うことを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクはニギらないで!②

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。
今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」ですが、本題に入る前に前回は「ハウリング」についてお伝えしました。今回はもうひとつの予備知識「マイクの指向性」についてです。

マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こうした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性は周波数によっても変化しますが、大きく以下のように分類できます。(下図参照) 

【無指向性(全指向性)】

どの方向からも同じ感度で収音するもの。置かれた場所に集まった音のすべてが、振動板に届いて電気出力となります。言い方を換えれば、マイク本体(振動板)の向きや角度に関係なく、音の大きさだけに反応する性格を持ちます。振動板の前方だけが音場に対して拡げられている構造を持ちます。

【単一指向性】

一つの方向からの感度が特に高いもの。カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドに大きく分けることができます。無指向性と構造が違うのは、振動板の後ろ側にも音の通り道として穴や溝が設けられている点。後方で鳴った音は、まずこの穴や溝から入って振動板の裏側に届きます(間接音)。同じ音は回り込み、少し遅れて振動板の表側にも届きます(直接音)。そこで、穴や溝から振動板の裏側までに障害物などを置いて間接音の速度を遅らせ、直接音と同時に到達するようにすると、この音は振動板の表と裏で同時に生じた同量のエネルギーとして相殺され、電気出力になりません。

前方で鳴った音は、まず先に振動板の表側に伝わります。その後の裏側への回り込みは、例の障害物によって到達がさらに遅くなります。この時間差によってエネルギーは相殺されずに電気出力されます。そのためこのマイクは、前方への単一な指向性を持つ事になります。後ろ側の穴や溝は前方の音を大きく捉えるためにあります。そして後方で鳴った音を、振動板の表と裏に同時に到達させるための障害物の設計が、マイクメーカーの工夫の見せどころとなります。

【双指向性】

正面と背面、二方向からの感度が特に高いもの。このマイクについての詳しい説明は今回は省きます。

次回は「マイクをニギる」の謎が解き明かされます。お楽しみに。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?
専門的な話になり、少し難しいと感じたかもしれませんが、これがマイクの持ち方に深く関わっています。

ただ、みなさんが普段使っているマイクの多くは単一指向性(中でもカーディオイド)です。どの角度からの音が入りやすく、どの角度からの音が入りにくいのかを知ると持ち方を考えるきっかけになります。

具体的な持ち方に関しては、次回に。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクはニギらないで!①

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。前回に続いて「○○しないで!」というタイトルになってしま いましたが、今回からマイクの持ち方について書こ うと思います。

さて、今回のテーマ「マイクはニギらないで」ですが、マイクを握らないと持つことはできません。ここで言う「握る(持つ)」と「ニギる」は違うことを表します。
ちなみにこの「ニギる」という言葉 は、私が経験してきた現場では普通に使っていま したが、業界標準の言葉ではないのでそれはご承知置きください。


本題に入る前に予備知識を2つ説明します。それは「ハウリング」と「マイクの指向性」です。
まずは「ハウリング」です。ハウリングとは、マイクに入った音が増幅されス ピーカーから出て、そのスピーカーから出た音が再 びマイクに入り増幅されスピーカーから出てまたそ れがマイクに・・・と信号がループして発振し、「ボー」とか「キーン」などという音がすること を言います。スピーカーの前でマイクを使ってハウリングを起こした経験を持つ人もいるでしょう。

そしてもう一つ「マイクの指向性」です。マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こ うした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性の詳しいことは、また次回。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?

マイクの持ち方ひとつで、声の入り具合が違ってきます。
私もマイクを使う時は、とても気をつけています。

みなさんも、こんな経験はないでしょうか?
話している時に、「ボン、ボン」と音が入ること。これは、話し手の息がマイクに当たることによって出る音です。そういう人が話していると、聞いている人はなんだか落ち着きませんよね。

これは、話し手の話し方の問題ですが、それを緩和するマイクの持ち方というのがあります。それについては、次回の田村の指向性の話の後にお伝えします。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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マイクのスイッチの確認方法〜マイクは叩かないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクは叩かないで!③
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

前回までは、マイクの仕組みをお伝えし、なぜ、マイクを叩いてはいけないのかを書いてきました。

「マイクは叩かないで!」最終回はマイクを叩かずにスイッチが入っているか確認する方法です。

①話す
「えー」「あー」や、軽く咳払いをするなど、単純ですが最も有効な方法です。

②ガリ
たいていのマイクの音が入る部分は金属の網になっています。ここを爪でガリガリとひっかくことを「ガリ」といいます。声が出せない時など、こっそり確認したいときに有効です。

ただし、「フーフー」とマイクに息を吹きかけることは叩くことと同じくらいシステムに負担がかかるのでNGです。

3回に渡ってお届けした「マイクは叩かないで!」いかがでしたでしょうか?今後マイクを叩いたり吹いたりしないよう、ご協力よろしくお願いします!

 最後に小ネタですが、マイクを叩いたり吹いたりすることの由来は・・・

初期のマイクは「カーボンマイク」という2枚の板状の電極の間に炭素の粉を挟んだ構造になっていました。使用時にこの炭素の粉が固まっているときがあり、これを解消するために叩いたり吹いたりしたそうです。(諸説あります)

弊社テクニカル事業部の田村のコラムいかがだったでしょうか?

カラオケが広まったこともあるのか、マイクはとても身近な音響機材の一つになっているように思います。
そんな身近にあるマイクだからこそ、使うみなさんには、その特質を知って、より効果的に使っていただきたいと感じています。

明日からは、どう使えばいいのかを田村の話で綴っていきますが、私自身、マイクの使い方はとても意識している部分です。

「話す力」を高めるためのマイクの効果的な使い方。
ぜひ、みなさんもマイクを味方につけてください。

前回までのブログをご覧になっていない方は、こちらも参考にどうぞ。

https://united-waves.jp/wp/2019/03/07/マイクを味方に%E3%80%82〜マイクは叩かないで!①/
https://united-waves.jp/wp/2019/03/08/マイクは話し手の大切な道具〜マイクは叩かない/

諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。

3.11という日に

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

今日は、3月11日。
東日本大震災から8年。

当時私は、仙台で地震に遭いましたが、みなさんそれぞれに、今日のこの日を振り返り、想うことがあると思います。

TEDxKyotoで登壇した一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション(以下:USF)代表理事の諸橋寛子さんは、福島県出身。

震災後、外で遊べなくなった福島の子供達のために設立したのが、この財団USFです。
TEDxKyotoでは、震災直後のこと、その後にどのような活動が始まり、そして月日を重ね、どう変わって行ったのかも語っていらっしゃいます。

ご覧になった方も、そうでない方も、今日という日にご覧いただければと思います。

自分に何ができるか、私も改めて考える1日です。


TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん


諸橋寛子さん
ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション代表

福島県いわき市生まれ。大学卒業後商社勤務を経て、創業者の父が経営していた洋服やスポーツ用品の小売業に15年ほど携わる。しかし、2011年3月11日の東日本大震災で約70店舗が崩壊。復興支援活動を通じ、全ての人に勇気や感動を与えることができる「スポーツの持つ力」を再認識し、同9月、一般財団法人UNITED SPORTS FOUNDATION(USF)を設立。 設立から7年、スポーツを通じて健康的な社会の創造発展、未来を担う子供達の育成貢献を理念とし、日本全国で約60万人の子供達と触れ合い、スポーツ文化振興活動に尽力している。子どもたちの笑顔を引き出し、さらには性別や年代を越えて感動を共有することができるスポーツ。その「スポーツの力」で、人々の心が動き、成長することを伝えたい。



マイクは話し手の大切な道具〜マイクは叩かないで!②

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、昨日からは少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクは叩かないで!②
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

前回、マイクで拡声する仕組みをご紹介しました。今回はいよいよ本題の「なぜ、マイクを叩いてはいけないか?」ということをお話しします。

前回、拡声のシステムは非常に小さなエネルギーを、電気によって大きなエネルギーに増幅すると説明しました。では、マイクを叩くのがなぜいけないのか?なんとなく想像がつきますか?

例えば、普通の声の大きさ程度の空気の振動で、私たちは痛みを感じることはありません。しかし、誰かに手で叩かれれば痛みを感じますよね。そのくらいエネルギーに差があり、それがマイクにも起きているということです。

本来非常に小さなエネルギーを拾うためにあるシステムに、必要以上の大きなエネルギーを与えれば、色々なところに過大な負荷がかかります。それはつまり、機材を予期しないところで傷める危険があることを意味します。
機材を傷めるということは機材トラブルに繋がり、それがイベント全体に影響する危険があるため、私たち音響は嫌がるのです。

マイクのスイッチが入っているかどうかが気になり、マイクを叩く人をよく見かけますが、マイクの仕組みを理解いただき、マイクは叩かないようにお願いしたいのです。

 では、マイクを叩かずにスイッチが入っていることを確認するにはどうすればよいでしょうか?それはは次回。

マイクを叩いてはいけない理由、お分りいただけだでしょうか?

私も、司会などの本番で、出演者の人がマイクを叩いている姿をよく見かけます。しかも本番中に。

「ばんっ、ばんっ」さらにもう一度、「がんっ、がんっ」と何度も。
それを見るたびに、マイクは大丈夫だろうかとヒヤヒヤしてしまいます。

1回、2回で壊れるほどの作りはしていないと思いますし、音響の人たちも細心の注意を払って準備をしていますから、本番中に壊れたところは見たことがありません。しかし、マイクは様々なところで使っていますから、積み重なれば、どこかの現場で、何かしらの不具合の症状が出ることもあるのではと思います。

マイクは、話し手にとって大切な道具です。
その道具を大切に扱うというのは、話し手として当然のことだと私は考えています。カラオケボックスや宴会場・会議室などで、頭がへこんでいるマイクをよく見ると心が痛くなります。

テーブルに置く時はそっと置いたり、持つ時も優しく丁寧にしたり、置く時も転がらないようにタオルやハンカチの上に置くなど、マイクを大切に扱ってほしいなと思います。

明日もまた、田村のコラムをお届けします。

弊社ユナイテッドウェーブスでは、司会や企業研修・スピーチトレーニングとイベントやコンサートなどの音響業務も請け負っております。
お気軽にご相談ください。

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マイクを味方に。〜マイクは叩かないで!①

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、今日からは少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えします。

今回のTEDxKyotoでは、ヘッドセットタイプのマイクが使われましたが、皆さんが普段使うマイクは、手に持って使うタイプが多いのではないかと思います。
どのタイプのマイクでも、注意点やコツがあります。

私は、ユナイテッドウェーブス合同会社の代表も務めていますが、弊社は、私が担当するアナウンスや講師業務とは別に、音響専門の部署があります。今日は、その音響専門で、長年にわたり、イベントやコンサートを担当している弊社テクニカル事業部の田村の話をご紹介します。
みなさんがマイクを使う時の参考に、ぜひなさってください。

マイクは叩かないで!①
(ユナイテッドウェーブス テクニカル事業部 田村尚)

マイクを使って話す時、そのスイッチが入っているかどうか確かめるためにマイクを叩く人がいます。そういえば以前、マイクで人の頭を叩いた人がいたことを思い出しました。「マイクを叩く(マイクで叩く)」これは私たち音響担当者が最も嫌がる行為です。

そもそも本来叩く道具ではないものを叩くというのはあまりスマートな行為ではないですね。また、叩いた時にマイクのスイッチが入っていれば、スピーカーから「ボンボン!」と音が出ますが、これもあまり気持ちのいい音ではありません。

なぜマイクを叩くことがいけないのか説明する前に、マイクで拡声する仕組みを簡単に説明します。

音とは空気の振動です。その振動がマイクの中の振動板を振動させて電気信号に変換します。電気信号はミキサーなど各種機器を通り音質、音量が調整されアンプに送られます。電気信号はアンプでその後に繋がれたスピーカーを駆動するために増幅され、スピーカーの振動板を振動させ、その振動が空気を振動させて最終的に拡声された音になり聴衆に伝わるのです。

普段人と話す時、声が空気の振動なんて感じることはありませんよね?そんな小さなエネルギーが場合によっては1万人以上の人に届くようなエネルギーに増幅されるのです。

マイクを叩くのがなぜいけないのか?なんとなく想像がつきますか?

次回は、なぜマイクを叩いてはいけないのかをお伝えします。

弊社田村のマイクのお話いかがでしょうか?

弊社に限らず、音響スタッフのみなさんはステージを支えてくれている縁の下の力持ちです。ステージでは視覚要素の強い映像演出に目が行きがちになります。しかし、司会やスピーチも映像も、会場で流れているBGMや演出時のアタックなど、全て音がなければ成立しません。

音は目に見えないので、出ていて当たり前、聞こえて当たり前の要素になっています。そうやって誰もが当たり前に感じ、自然に感じられるというのが、音響のプロのみなさんの仕事のすごさなのだろうと思います。

私は、しゃべり手としてステージで話す立場ですが、現場で安心して話ができるのは、各現場の音響スタッフのみなさんのおかげだと、いつも感謝しています。

では明日もまた、田村のコラムをお届けします。

弊社ユナイテッドウェーブスでは、司会や企業研修・スピーチトレーニングとイベントやコンサートなどの音響業務も請け負っております。
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ハプニングを楽しもう!!

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

昨日は、練習は本番通り、本番は練習通りというお話を書きましたが、練習では予想もしなかったことが、本番では、多々起こり得ます。

今回のTEDxKyotoにおいても、本番でハプニングがありました。

その一つは、マイクの音。
もう一つは、観客の状態です。

今回のマイクはヘッドセットでした。
ヘッドセットの場合は、通常、話し手が自分でスイッチの入り切りをすることはありません。しゃべり始めに合わせて、音響の人が操作をして音声が入るようになります。

ただごく稀に、話し始めの音が入らないことがあります。
この多くは、音響の人のタイミングが遅れていたり、音声を入れ忘れているときに起きるのですが、話し手にとっては、この最初の音が入っていないと感じた瞬間に、焦りが生じたり、緊張が高まったりするのです。また、「このまま話し続けてもいいのだろうか?」などの不安も起きます。

もともと緊張で張り詰めた中ステージに立っているので、話し始めに不安が生じると、その後に影響することも多々あります。音響に限らずこのような周囲のミスは、私も幾度となく経験してきました。

もし今回のように、話し始めの音が入っていないと感じた場合の対策は、もう一度最初から話すということです。
また、もし、話し始めからしばらく入っていなかったら音響機器のトラブルも予想されるので、「マイクの音が入っていないようですね。どうでしょう?聞こえますか?どうでしょう?」などと繰り返し、自分の声が入ったら「改めて、みなさん、こんにちは。」とハプニングへの軽い一言を加えて、最初から話し始めるという方法もあります。

ちなみに、ハプニング対応のちょっとした一言で、会場の場も和んで観客の聞く意識を高めることもできますし、話し手自身も緊張の糸がほぐれることがあります。

マイクのトラブルは、基本的には音響機器などのトラブルによりますが、まれに話し手がマイク自体のスイッチを切っている場合もありますので、話し手も、自分がどんなマイクを使っているのかを知っておくといいかもしれません。

諸橋さんは、マイクのことは気にならなかったそうですが、観客の様子(聞いている状態)が気になったそうです。本番の諸橋さんを見ていましたが、緊張は感じられるものの堂々と落ち着いて最後まで話されていたので、この話を聞いて驚きました。

確かに客席の様子はリハーサルではわかりません。また、ステージから客席がどう見えていたのかは、話し手本人にしかわかりません。

スピーチを終えた諸橋さんに聞くと、本番では、椅子席の前とステージの間にクッションソファのようなラフな椅子が設けられていて、横たわって聞いている観客もいたということでした。

ステージはスポットが当たっているので、登壇者は観客の姿は意外に見えないものです。しかし、このクッションソファがあったステージの前あたりは、登壇者からも見えやすい明かりと位置だったこともあり、観客の聞いている姿が、より見えたのだと考えます。

この話を聞いた時、私がもし登壇者でも気になっただろうと感じました。
そういう状態で聞く人が座るというのを、話し始める前にわかっていれば、必要以上に意識することは無かったかもしれませんが、無いと思っていたものが急遽現れたり、逆に、あると思っていたものが突然無かったりすると、驚いてしまいます。頭に入れていた話す内容も、一瞬飛んでしまうこともあります。

以前私がとても焦った経験は、リハーサルまで使っていた司会台の手元明かりが、本番が始まって司会台に立つと、全く別物に変わっていたことです。
そのイベントでは、私の話し始めの際はステージも会場全体も暗めの照明の演出でした。司会用のピンスポットが当たるとはいえ、やはり手元に明かりが無ければ、台本を読むのに厳しく、リハーサルの時点で司会台に明かりを用意してもらいました。

手元明かりもいくつか種類があるので、リハーサルでその使い方をシミュレーションしていたのですが、本番で用意されていた明かりは、これまで使ったこともないもので、スイッチがどこにあるのかさえ不明。それでも明かりを点けなければ台本を読めないので、最初の覚えているフレーズを平然と話しつつ、手は明かりのスイッチを探していたこともありました。

今では、笑い話のひとつです。

今回のTEDxKyotoに限らず、イベントなどにおいてハプニングはつきものです。
想定していても想定通りにはいかないもの。
ハプニングが起きた時は、そのハプニングの流れに合わせて対応できるちょっとした心の余裕があると、ハプニングを味方につけてイベントがより面白いものになることもあります。

ハプニングが起きた時こそ、チャンス!
ハプニングを楽しもう!!

そのためには、やはり練習を重ねることです。そしてできれば、経験を重ねることです。
「何が起きても大丈夫!」と思えるくらいの練習と、様々な経験を重ねていけばハプニングはチャンスに変えられます。

そして、本番を楽しめるくらい心の余裕を持って臨めるようになりますよ。



諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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