こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。
最近気になっていた一冊「敵とのコラボレーション」は、以前読んだ「未来を変えるためにほんとうに必要なこと」という著者と同じアダム・カヘンの著書。
今回の「敵とのコラボレーション」
表紙には「賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法」と書かれています。
誰しも、自分と合わない人というのはいると思うのです。もちろん私にも、そう感じる人はいます。
今でこそ、コミュニケーションに関する様々な研修や講演会を行っていますが、30代半ばくらいまでの私は、自分の考え方と合わない人に出会うと対立姿勢で臨んでいました。思い返せば恥ずかしいのですが、同僚であれ、上司であれ、私の考えの方が正しいと主張していた時期があります。そうなると、私の考えを押し通すか、押し通せないときは相手の考えを受け入れるかの2つに一つの結論を出すか、はたまた対立して互いに物別れの状態になる結果を招いていました。
それから十数年経つ中で、私はコミュニケーションの取り方を変えてきました。何より意識しているのは「相手の考えを受け入れる」ということです。
「受け入れる」というと、相手に賛同することだと思う人が多いと思いますが、「受け入れる」というのは、相手に賛同することでも、相手が正しいと受け入れることではありません。
「受け入れる」というのは、相手にはそういう考えがあるということを受け入れるということ。「私は◯◯な考え方だけれども、相手は◯◯な考え方なんだな」と、自分の考えと相手の考えは区別して考えます。
そしてその上で、相手の考え方の中に、私には無い視点やヒントがあることに気づいて、自分と相手の良いところを掛け合わせて、さらに良い答えを見つけられるようにしています。そうすると、人間関係はスムーズになり、仕事もプライベートもうまく行くようになりました。
しかしそれでも、時々、どうしても合わないと感じる人と出くわします。そういう場合、相手も私に対して同じように思っているんでしょう。その合わないと感じている感覚は、どんどん大きくなることがあります。
そんなとき、自分なりに自分の感情の整理をしたり、相手との接し方を変えたりしてコミュニケーションを取る努力はしていますが、さらに一歩踏み込んだヒントが、この本の中に無いだろうかと思い手に取りました。
人間関係で悩む人は少なく無いと思います。実際、職場での悩みのトップは、人間関係であるという調査も多く出ていますし、仕事でもプライベートでも、私たちは一生涯、誰かと関わって過ごしていきます。
ハーバード成人発達研究は「人の幸せと健康は何から生まれるのか?」というテーマに対して、ある結果を発表しています。
この調査は、当初724人の成人男性の追跡調査から始まり、いまでは2,000人以上の追跡調査を行っています。しかも、80年という史上最も長期に渡って成人を追っている研究です。現在は、ハーバード大学医学部臨床教授で、心理学者ロバート・ウォールディンガー教授が第4代責任者を務めています。そして、数年前のTEDで、「史上最長の研究が明かす 幸福な人生の秘密」というテーマでプレゼンテーションしました。
そこで話された結論は「良い人生は、良い人間関係から生まれる」というものです。
人との関係が築かれなければ孤立して孤独感が生まれます。それによるストレス、脳への影響、健康への影響、さらには寿命の長さにまで影響が出るというのが、この追跡調査でわかったというのです。
人間関係は思い悩むこともありますが、それこそが、幸福な人生の鍵となっているというのは、とても興味深いことです。
私はコミュニケーションでたくさんの失敗をしてきましたが、だからこそ、その大切さを実感しています。さらに学びと経験を深め、コミュニケーションがよりよく築かれる方法や考え方を、研修やセミナーを通してお伝えして行きます。
みなさんのお役に立てますように。
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