他人モードから自分モードへ

こんにちは。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

企業研修を行いながらいつも考えているのは、

どうすれば、より良い研修をできるかということです。

そのために、どんなやり方があるか?

どうすれば、多くの人に広げていけるか?

様々なことを考えます。

先日、こんな本と出会いました。

「直感と論理をつなぐ思考法」

この本には、これまでのビジネス手法である

詳細なリサーチとマーケティングを元にした論理的な観点から

考え方をスタートさせるのでは無く、

企業や個人の「やりたいこと」という

直感や妄想から新たなものを生み出す考え方が書かれています。

本を読み終え私がすぐに始めたのは、

この本に書かれていた自分のビジョンを引き出すために

自分の考えをノートに書くことです。

中でも、「感情ジャーナリング」に取り組んでいます。


書き方にはいくつか決まりがありますが、

感情ジャーナリングについて以下のように書かれています。

「自分がいやだと思ったこと、うれしかったこと、どうにも気になっていることなどを、ありのままに書いていく。本当は辛かったのに我慢していること、心の奥底に溜めている他人への悪口や嫉妬心などなど、マイナス感情が出てきても抑え込む必要はない。ただし、ジャーナルの最後は必ずポジティブな感情で締めくくるようにすると、日々の充足感が高まる。」

(引用:「直感と論理をつなぐ思考法」佐宗邦威著)


プラスの感情だけで無く、

自分の感情の負の部分も素直に書き出すので、

「こんな感情を持っていたんだな」と気づき驚いたりもしますが、

書き終える頃には思考はプラスに向かってスッキリします。

何より、自分の内側にあるビジョンに気づくことができ

そのビジョンを形にして行こうと、とてもワクワクします。

忘れかけていたこの感覚を思い出せただけでも

感情ジャーナリングにトライして良かったと感じています。

他人モードから、自分モードへ。

しばらく、ここを意識して過ごしてみようと思います。

追記

感情ジャーナリングを行なって一つ生まれた私のビジョンは、

「中高生の伝える力を育むプロジェクト」

こちらについては、また改めて綴りたいと思いますが、

興味のある方は、こちらのサイトをご覧いただけるとありがたいです。

https://tsutaeruchikara.united-waves.jp

最後まで読んでくださりありがとうございます。

ご質問やご感想はお気軽にお寄せください。

ホームページをリニューアルしました。

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セルフ・コンパッション

こんにちは。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

組織を離れフリーになり10年。

独りで物事を考え進むというのは色々と迷いも生じます。

 
そんな時、最近行っているのは、

高校時代の亡き恩師が今の私を見て、

どう声をかけてくれるかをイメージすることです。


不甲斐ない自分に嫌気がさしたり、

これでいいのだろうか?と迷ったり、

そんな時、もし、恩師に相談に行ったら

恩師はどんな言葉をかけてくれるのだろう?

近年、マインドフルネスと共に注目されている

「セルフ・コンパッション」という考え方があり、

様々な研究が行われています。


「セルフ・コンパッション」

直訳すると「自分への思いやり」ですが、

単なる思いやりとは違います。

自分の良い点・悪い点を受け入れ、

悪い点は寛容に向き合っていくというものです。 

自己成長を促すというのか、

よりよく生きるための考え方だと、私は捉えました。

例えば、仕事で失敗をした時、

私たちの多くは、誰か(何か)を責めるか、

自分を責めるかのどちらです。

誰かを責めれば失敗への痛みは和らぐものの

自分の否に気づかず成長できないし、

自分を責めてしまうと必要以上に自己評価が低くなり

成長を妨げることにもつながります。

では、もし、友達が同じように仕事で失敗をしたとしたら

私たちは、友達にどんな声をかけるでしょうか?

「あなただけの責任ではないよ。」

「あの時、もう少し気をつけられたらよかったね。」

「まだまだ挽回できるよ!」

などなど、励ましたり、優しい言葉をかけたり、理解したりと

もう少し寛容に言葉をかけるのではないでしょうか?

私はこれまで自らカウンセリングを受け、

さらには、ストレスケアのマネジメント法を学んできました。

その中には、ストレスを感じた出来事に対して、

自分がどう向き合うかという様々な方法があります。


例えば、失敗した出来事を思い浮かべ、

どうすればより良くなっていたかを考えたり、

今の自分が過去の自分を慰めたり、

失敗した出来事を思い浮かべ額縁をはめ、

その後、その額縁を素敵な額縁に変えたりするなどです。


それらは、誰かを責めることも、自分を責めることもしません。

単に、事実を受け止めて考えるというものです。

そして最初に書いたように、

最近の私は亡き恩師を思い浮かべ自分と向き合っています。

目を閉じて恩師を思い浮かべ、

そうして、今の自分の思いを話し、恩師の言葉を受け止める。

不思議なもので、そうすることで自分の否は否として受け止め、

できている点はできていると受け止められ

明日へ向かう力が湧いてきます。

事実を事実として受け止め、

未来にどう向かっていくか?

そういう客観的な視点を自分に対しても持てるようになれば

私たちは、より良い人生を歩んでいけるように思います。

「セルフ・コンパッション」は

これから広まって行くのでしょうが、

それは、自分が自らと向き合えるようになる

セルフ・コミュニケーションなのかもしれません。

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変化・進化・成長の素晴らしさ

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングでのことを綴ってきましたが、ひとまず今回で最終回です。

今回の諸橋さんのスピーチのテーマ「変化・進化・成長」
私は諸橋さんのトレーニングに携わりながら、その素晴らしさを感じ、かつ、改めて多くのことを教わりました。

話し方というのは、実はとても変えにくいものです。
なぜなら、その話し方で十数年もの間過ごし当たり前の動作になっていること、さらには、それで生活も仕事もできてきているからです。

そのためトレーニングを行っても、それまでの話し方に戻りやすく、「これまでのままでもいいかな」と思いがちになりやすいのです。

トレーニングをする側としては懸命に向き合いますが、受ける側の人が自分の変化を楽しみ、そして身につけるためにトレーニングを重ねるということも、成果を出す上では欠かせない要素です。

諸橋さんは、本番を迎えるその時まで、何度も何度も練習を重ねていらっしゃいました。本番の日も、出番のギリギリまで繰り返し練習をされていました。

みなさんがプレゼンテーションの達人としてよくご存知のスティーブ・ジョブズも、準備やリハーサルには余念がなかったと言われています。

例えば、5分間のデモを行うだけでも、数週間前から準備を始め、製品や技術の勉強も含め数百時間を費やしていたそうです。さらには、リハーサルは丸二日もかけて行っていたそうです。
この話は、「スティーブ・ジョブズの驚異のプレゼンテーション(カーマイン・ガロ著)」に記されています。

またその本には、マイケル・ジョーダンやウィンストン・チャーチルの話を例に上げ、トップクラスの人々は、みな、意識的に練習しているという話も書かれています。

話し方もやはり練習の積み重ね。練習を重ねることで、自分なりの自然な話し方を身につけ、さらには人に伝えるだけではなく「伝わる」話し方になるのです。

諸橋さんのスピーチの最後には、このようなメッセージがあります。

今日、会場にいらっしゃるみなさんも日々変化、進化、成長をして今を迎えていると思います。

時には、辛く苦しい出来事に立ち止まってしまい、前に踏み出せない日もあるでしょう。けれど、進化することで、できないことができるようになる喜びは、何事にも変えがたいと、私は思うのです。そうすることで、自分なりの幸せな人生を過ごすことができると、私は身をもって感じています。

『変化・進化・成長』
みなさんもぜひ、一歩、前にふみだしてみてください。」

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 9d15eddeec6949c96b6eeb0f560d70a4-1024x526.png です
TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん「変化・進化・成長」

変化・進化・成長は簡単なことでは無いことは、みなさんもお気付きかと思います。諸橋さんのトレーニングに関わり、諸橋さん自身が変化・進化・成長することを体現されている姿を目の当たりにし、私は様々な面で自らを振り返り、気持ちを新たにすることができました。

とても貴重な経験と、素晴らしいご縁に感謝しつつ、これからも、話し方のトレーニングを通して多くの人のサポートができたらと思っています。

TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

衣装の色が話す力をサポート

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先週までの2週間は、TEDxKyotoのスピーチトレーニングから少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしましたが、今週からは本番前や本番でのお話に戻ります。

今回は、衣装の色についてです。
人前で話すとき、皆さんは衣装や衣装の色を意識していますか?

今回、私は諸橋さんに白系の衣装をお勧めしました。その理由は、ステージの色とのバランスはもちろんですが、諸橋さんの凜とした強さを感じてもらえると考えたからです。(下画像:TEDvKyoto登壇の諸橋寛子さん)

TEDxKyotoのこれまでの映像を見た所、ステージは、ブルーやグレー、黒などの少し暗めな色が多く、赤字でTEDxKyotoの文字がバックに配置されていました。また、フロアには赤のマットが敷かれていました。

そういうところで、黒や濃紺、赤の色味の衣装を着てステージに立ってしまうと、どうしてもステージに溶け込み過ぎてしまい、スピーカーが沈んでしまいます。

今回のステージであれば、黄色や明るい緑、ゴールドなど色々と考えられるものがあります。しかし、諸橋さんの話す内容や諸橋さんの凜とした強さを出すことも考えると、そういう色味ではなく白がベストだと考えました。

今回のTEDxKyotoでは、諸橋さん以外にも14名の方が登壇されました。そのお一人お一人の衣装を見ても、それぞれの話やご自身の個性を表現されています。

ちなみに私は司会の時は、出演者の方々の衣装の色とかぶらないように事前に確認をしますし、イベントの内容によって衣装の指示があるので、それに合わせて決めています。

また、キャリアコンサルタントのように人に話を聞くこと(カウンセリング)が主体の場合は、相談者が話しやすいように柔らかい印象を与えられるようなベージュ系の色を意識しています。

みなさんも、人前で話すときは服装に気を配っているかと思いますが、そこに加えて色も意識してみてください。
もちろん、似合う似合わない、着ていて落ち着く落ち着かないなどもありますが、話の内容や話し手自身を表現する上でも、色というのは大切な要素です。

例えば、スーツを買い換えるのは難しくても、女性であればインナーやスカーフなどで色味を加えることができます。男性であれば、シャツやネクタイ、ポケットチーフなどで色味を加えることができます。

視覚要素である衣装とその色もまた、話す力を高める要素の一つです。
TPOに合わせつつ、かつ、話し手自身の想いが伝わる衣装と色選びを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。

ユナイテッドウェーブス合同会社
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info@united-waves.jp

マイクはニギらないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」です。いよいよ本題です。

今回例に使用している下の写真のマイクですが、前回説明した指向性は単一指向性(カーディオイド)となっています。ちなみにSHURE(シュア)製SM58というマイクで、50年以上前に誕生し現在でも業界標準となっているものです。

SHURE(シュア)製SM58

下の写真が正しい持ち方です。音を拾う振動板の部分(銀色の金網部分)が何にも遮られておらず、設計通りのカーディオイドの性能が発揮されます。写真では上方からの音に対して最も感度が高くなります。

そして下の写真が、マイクを「ニギ」った状態です。

一見すると周りの音を遮って一方向からの音だけが入ってきそうですが、前回説明した通りマイクの指向性は後方からの音も振動板に届くことにより実現しています。この状態では後方からの音が振動板に正しく届かず結果として無指向性になってしまい、周囲の音360°に対して同じ感度となります。
この状態のマイクの音量を上げると、拡声したい音以外の音量も上がり、結果ハウリングが起こりやすくなります。

 

皆さんもカラオケに行ったときに、この持ち方をするとハウリングしやすいと思ったことはありませんか?見た目はかっこいいかもしれませんが、マイク本来の性能を引き出せていないのです。
プロのミュージシャンでもニギっている人がいますが、見た目重視であえてこの持ち方をしていることもあります。ただし、この裏で我々音響はハウリングを起こさないように非常に苦労しています。

我々のような音響がいないシチュエーションで、みなさんがマイクを使って話す機会も多々あると思います。そういう時は、ぜひ、マイクの持ち方に気をつけてみてください。

いかがでしたでしょうか?
6回に渡った弊社テクニカルスタッフ田村のマイクのお話。

講演会やイベント、コンサートなど、人が集まる場所で音は切っても切り離せない大切な要素です。
人間は視覚からの情報が多くを占めるため、ついつい映像や画像を効果的に使うことに意識が行きがちです。しかし、映像や画像が最悪使えない場合も、音がしっかりと聞ける状態であれば伝えることはできます。

その音の基本である声。
その声を効果的に届けるツールであるマイクは、話し手のみなさんの最強の味方です。

最後に、私がマイクを使う時に意識していることをお伝えします。
それは、口とマイクの向きです。

田村の話でお分かりのように、マイクの種類によって音を拾う角度が違います。普段よく使われている単一指向性は、マイク上部から音が入る仕組みで、真横(180°)からは音を拾いません。そのため、マイク上部から垂直に話せば一番音を拾いますが、そうすると、話しているときの息が当たって「ぼん、ぼん」という音が出てしまいます。これは、聞いている人にとって、とても耳障りで、内容に集中できなくなります。

そのため、私は自分の口元から拳一つ分ほど開け、口元から斜め下くらいにマイクが位置するように持っています。(下の写真参考)

時々、マイクに顎をつけて話している人や、マイクに口をつけて話している人を見ます。しかし、マイクは自分だけが使うものでは無く、次に使う人もいます。顎につけたり口につけたりすれば、皮脂や汚れ、唾液、女性であれば口紅やファンデーションをマイクにつけることになり、気持ちのいいものではありません。

また、あまりにマイクに近づいて大きな声で話してしまうと、音が割れてしまってとても聞きにくくなります。
逆に小さいと、マイクの音量を上げてハウリングを起こすことにつながります。

マイクを使うときは、自分の口元からの程度な距離や位置を本番前に確認することをおすすめします。そうやって事前に声を出すことで、緊張緩和にもつながります。

こういう使い方は、手に持って使うマイクも今回のTEDxで使われているヘッドセットタイプのマイクも同じです。

マイクは話し手の味方。
ぜひ、効果的に、かつ、丁寧に使うことを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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マイクはニギらないで!②

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。
今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」ですが、本題に入る前に前回は「ハウリング」についてお伝えしました。今回はもうひとつの予備知識「マイクの指向性」についてです。

マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こうした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性は周波数によっても変化しますが、大きく以下のように分類できます。(下図参照) 

【無指向性(全指向性)】

どの方向からも同じ感度で収音するもの。置かれた場所に集まった音のすべてが、振動板に届いて電気出力となります。言い方を換えれば、マイク本体(振動板)の向きや角度に関係なく、音の大きさだけに反応する性格を持ちます。振動板の前方だけが音場に対して拡げられている構造を持ちます。

【単一指向性】

一つの方向からの感度が特に高いもの。カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドに大きく分けることができます。無指向性と構造が違うのは、振動板の後ろ側にも音の通り道として穴や溝が設けられている点。後方で鳴った音は、まずこの穴や溝から入って振動板の裏側に届きます(間接音)。同じ音は回り込み、少し遅れて振動板の表側にも届きます(直接音)。そこで、穴や溝から振動板の裏側までに障害物などを置いて間接音の速度を遅らせ、直接音と同時に到達するようにすると、この音は振動板の表と裏で同時に生じた同量のエネルギーとして相殺され、電気出力になりません。

前方で鳴った音は、まず先に振動板の表側に伝わります。その後の裏側への回り込みは、例の障害物によって到達がさらに遅くなります。この時間差によってエネルギーは相殺されずに電気出力されます。そのためこのマイクは、前方への単一な指向性を持つ事になります。後ろ側の穴や溝は前方の音を大きく捉えるためにあります。そして後方で鳴った音を、振動板の表と裏に同時に到達させるための障害物の設計が、マイクメーカーの工夫の見せどころとなります。

【双指向性】

正面と背面、二方向からの感度が特に高いもの。このマイクについての詳しい説明は今回は省きます。

次回は「マイクをニギる」の謎が解き明かされます。お楽しみに。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?
専門的な話になり、少し難しいと感じたかもしれませんが、これがマイクの持ち方に深く関わっています。

ただ、みなさんが普段使っているマイクの多くは単一指向性(中でもカーディオイド)です。どの角度からの音が入りやすく、どの角度からの音が入りにくいのかを知ると持ち方を考えるきっかけになります。

具体的な持ち方に関しては、次回に。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクはニギらないで!①

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。前回に続いて「○○しないで!」というタイトルになってしま いましたが、今回からマイクの持ち方について書こ うと思います。

さて、今回のテーマ「マイクはニギらないで」ですが、マイクを握らないと持つことはできません。ここで言う「握る(持つ)」と「ニギる」は違うことを表します。
ちなみにこの「ニギる」という言葉 は、私が経験してきた現場では普通に使っていま したが、業界標準の言葉ではないのでそれはご承知置きください。


本題に入る前に予備知識を2つ説明します。それは「ハウリング」と「マイクの指向性」です。
まずは「ハウリング」です。ハウリングとは、マイクに入った音が増幅されス ピーカーから出て、そのスピーカーから出た音が再 びマイクに入り増幅されスピーカーから出てまたそ れがマイクに・・・と信号がループして発振し、「ボー」とか「キーン」などという音がすること を言います。スピーカーの前でマイクを使ってハウリングを起こした経験を持つ人もいるでしょう。

そしてもう一つ「マイクの指向性」です。マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こ うした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性の詳しいことは、また次回。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?

マイクの持ち方ひとつで、声の入り具合が違ってきます。
私もマイクを使う時は、とても気をつけています。

みなさんも、こんな経験はないでしょうか?
話している時に、「ボン、ボン」と音が入ること。これは、話し手の息がマイクに当たることによって出る音です。そういう人が話していると、聞いている人はなんだか落ち着きませんよね。

これは、話し手の話し方の問題ですが、それを緩和するマイクの持ち方というのがあります。それについては、次回の田村の指向性の話の後にお伝えします。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクのスイッチの確認方法〜マイクは叩かないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

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マイクは叩かないで!③
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

前回までは、マイクの仕組みをお伝えし、なぜ、マイクを叩いてはいけないのかを書いてきました。

「マイクは叩かないで!」最終回はマイクを叩かずにスイッチが入っているか確認する方法です。

①話す
「えー」「あー」や、軽く咳払いをするなど、単純ですが最も有効な方法です。

②ガリ
たいていのマイクの音が入る部分は金属の網になっています。ここを爪でガリガリとひっかくことを「ガリ」といいます。声が出せない時など、こっそり確認したいときに有効です。

ただし、「フーフー」とマイクに息を吹きかけることは叩くことと同じくらいシステムに負担がかかるのでNGです。

3回に渡ってお届けした「マイクは叩かないで!」いかがでしたでしょうか?今後マイクを叩いたり吹いたりしないよう、ご協力よろしくお願いします!

 最後に小ネタですが、マイクを叩いたり吹いたりすることの由来は・・・

初期のマイクは「カーボンマイク」という2枚の板状の電極の間に炭素の粉を挟んだ構造になっていました。使用時にこの炭素の粉が固まっているときがあり、これを解消するために叩いたり吹いたりしたそうです。(諸説あります)

弊社テクニカル事業部の田村のコラムいかがだったでしょうか?

カラオケが広まったこともあるのか、マイクはとても身近な音響機材の一つになっているように思います。
そんな身近にあるマイクだからこそ、使うみなさんには、その特質を知って、より効果的に使っていただきたいと感じています。

明日からは、どう使えばいいのかを田村の話で綴っていきますが、私自身、マイクの使い方はとても意識している部分です。

「話す力」を高めるためのマイクの効果的な使い方。
ぜひ、みなさんもマイクを味方につけてください。

前回までのブログをご覧になっていない方は、こちらも参考にどうぞ。

https://united-waves.jp/wp/2019/03/07/マイクを味方に%E3%80%82〜マイクは叩かないで!①/
https://united-waves.jp/wp/2019/03/08/マイクは話し手の大切な道具〜マイクは叩かない/

諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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3.11という日に

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

今日は、3月11日。
東日本大震災から8年。

当時私は、仙台で地震に遭いましたが、みなさんそれぞれに、今日のこの日を振り返り、想うことがあると思います。

TEDxKyotoで登壇した一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション(以下:USF)代表理事の諸橋寛子さんは、福島県出身。

震災後、外で遊べなくなった福島の子供達のために設立したのが、この財団USFです。
TEDxKyotoでは、震災直後のこと、その後にどのような活動が始まり、そして月日を重ね、どう変わって行ったのかも語っていらっしゃいます。

ご覧になった方も、そうでない方も、今日という日にご覧いただければと思います。

自分に何ができるか、私も改めて考える1日です。


TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん


諸橋寛子さん
ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション代表

福島県いわき市生まれ。大学卒業後商社勤務を経て、創業者の父が経営していた洋服やスポーツ用品の小売業に15年ほど携わる。しかし、2011年3月11日の東日本大震災で約70店舗が崩壊。復興支援活動を通じ、全ての人に勇気や感動を与えることができる「スポーツの持つ力」を再認識し、同9月、一般財団法人UNITED SPORTS FOUNDATION(USF)を設立。 設立から7年、スポーツを通じて健康的な社会の創造発展、未来を担う子供達の育成貢献を理念とし、日本全国で約60万人の子供達と触れ合い、スポーツ文化振興活動に尽力している。子どもたちの笑顔を引き出し、さらには性別や年代を越えて感動を共有することができるスポーツ。その「スポーツの力」で、人々の心が動き、成長することを伝えたい。



マイクは話し手の大切な道具〜マイクは叩かないで!②

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、昨日からは少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクは叩かないで!②
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

前回、マイクで拡声する仕組みをご紹介しました。今回はいよいよ本題の「なぜ、マイクを叩いてはいけないか?」ということをお話しします。

前回、拡声のシステムは非常に小さなエネルギーを、電気によって大きなエネルギーに増幅すると説明しました。では、マイクを叩くのがなぜいけないのか?なんとなく想像がつきますか?

例えば、普通の声の大きさ程度の空気の振動で、私たちは痛みを感じることはありません。しかし、誰かに手で叩かれれば痛みを感じますよね。そのくらいエネルギーに差があり、それがマイクにも起きているということです。

本来非常に小さなエネルギーを拾うためにあるシステムに、必要以上の大きなエネルギーを与えれば、色々なところに過大な負荷がかかります。それはつまり、機材を予期しないところで傷める危険があることを意味します。
機材を傷めるということは機材トラブルに繋がり、それがイベント全体に影響する危険があるため、私たち音響は嫌がるのです。

マイクのスイッチが入っているかどうかが気になり、マイクを叩く人をよく見かけますが、マイクの仕組みを理解いただき、マイクは叩かないようにお願いしたいのです。

 では、マイクを叩かずにスイッチが入っていることを確認するにはどうすればよいでしょうか?それはは次回。

マイクを叩いてはいけない理由、お分りいただけだでしょうか?

私も、司会などの本番で、出演者の人がマイクを叩いている姿をよく見かけます。しかも本番中に。

「ばんっ、ばんっ」さらにもう一度、「がんっ、がんっ」と何度も。
それを見るたびに、マイクは大丈夫だろうかとヒヤヒヤしてしまいます。

1回、2回で壊れるほどの作りはしていないと思いますし、音響の人たちも細心の注意を払って準備をしていますから、本番中に壊れたところは見たことがありません。しかし、マイクは様々なところで使っていますから、積み重なれば、どこかの現場で、何かしらの不具合の症状が出ることもあるのではと思います。

マイクは、話し手にとって大切な道具です。
その道具を大切に扱うというのは、話し手として当然のことだと私は考えています。カラオケボックスや宴会場・会議室などで、頭がへこんでいるマイクをよく見ると心が痛くなります。

テーブルに置く時はそっと置いたり、持つ時も優しく丁寧にしたり、置く時も転がらないようにタオルやハンカチの上に置くなど、マイクを大切に扱ってほしいなと思います。

明日もまた、田村のコラムをお届けします。

弊社ユナイテッドウェーブスでは、司会や企業研修・スピーチトレーニングとイベントやコンサートなどの音響業務も請け負っております。
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