声は意識で変わる

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

3月に入り、いよいよ春の足音が聞こえていますが、このところお天気が安定しませんね。みなさんくれぐれもご自愛ください。

さて先週から、TEDxKyotoに向けた具体的なトレーニングについて綴っています。私がトレーニングを担当させていただいたのは、一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーションの諸橋寛子代表理のスピーチです。

先週も書きましたが、諸橋さんはトレーニング日以外も自宅で自主トレーニングを積まれていました。例えば、部屋の窓ガラスに映る自分の姿を確認しながらのトレーニング。何度も口に出し、ボディーランゲージをつけながら、自分の姿を確認し、かつ、窓の外の遠くに向かってスピーチをするという、大変効果的なものです。

私も司会の本番前、姿見を前に練習することがよくありますが、自分の姿を見ながら練習することで改善点に気づくことができるのです。

諸橋さんがトレーニングを始めてすぐの原稿をまだ覚えきれていない時は、なかなか聞き手を意識したスピーチは難しい状況でした。しかし、諸橋さんの場合、普段から人前で話す機会も多く聞き手を意識した声の出し方というのは、すぐに身について行きました。

ところで、みなさんは人前で話すとき、どこを意識して話しているでしょうか?

今回のTEDxKyotoのリハーサルで、私はボイストレーニングのサポートにつきましたが、その時点では、私が見た人全員、聞き手を意識した話し方にはなっていませんでした。
原稿は手に持っていなくても頭の中にあって、一言一句を追いかけている感じでした。そして、マイクがついているので、声の大きさや張りはあまり気にせず、普段の自分の声で話している感じを受けました。

多くの人が勘違いをしているように感じるのですが、マイクがあれば、どんな声でも聞こえると思っているのではないでしょうか?
それは違います。

マイクはあくまでも拡声器です。
小さい声を大きくするのは限界があります。張りの無い声は張りの無いまま聞こえます。無駄に息を強く吐き出せば、余計な音が入ります。ぼそぼそしゃべればぼそぼそ聞こえます。悪い音は悪いまま大きくなります。

マイクを使っていたとしても、スピーカーの声が一定の大きさであったり、張りがあったり、はっきりした話し方でなければ、聞き手の心に届くスピーチはできないのです。
マイクを使っていても、観客に向かって声を出す意識を持っていなければ、声も言葉も聞き手には届かないのです。

私がスピーチや発声のトレーニングを行う時は、どこに向かって声を出すかというイメージを持ってもらうようにしています。
どの位置に人がいるのか?どこに向かって声を出すのか?
それを意識するだけで、声はしっかりと届くようになります。

みなさんが人前で話す時は、その会場の一番後ろにいる人に届けるつもりで話してみてください。そうするだけで、聞き手に届く声は出るようになります。

自宅などで練習する時も、会場にいる聞き手をイメージしながら行ってみてください。もし、一緒に練習に立ち会ってくれる人がいれば、その人に少し遠い位置に座ってもらい、そこに向かって話す意識で練習をしてみてください。そういうことをを繰り返すうちに、声の出し方も自然に身につきます。

しっかりと声を出せるようになれば、マイクも効果的に使えます。
マイクの効果的な使い方については、また改めてお話しします。


諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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トレーニングしなくても届く声は手に入る

 

ブログをご覧くださりありがとうございます。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

 

仕事始めの方が多い月曜日。

「組織を強くする質の高いコミュニケーション」をテーマに

様々な視点からお伝えしています。

 

このところ、新入社員研修を担当させていただいていますが、

ある時、研修を見学されていた教育ご担当の方から

研修後に、こういう声をかけていただきました。

 

「私も研修をしていますが、なかなか声を大きく出してもらえず、

三島先生の声を出す教え方が、とても参考になりました。」と。

 

実は、声の出し方は、学校の先生方からも

「どうやったら、あんなにすぐに出せるようになるのか

教え方を知りたい。」と言われることが多々あります。

 

 

そのご担当者の方がおっしゃるには、

声を大きく出すことを教えると、

単にどなるように張り上げてしまったり、

なかなか大きな声を出してもらうことが

難しかったりするんだそうです。

 

接客に求められる大きな声とは、

単に張り上げた声ではありませんよね。

 

そのお店の雰囲気に合った大きさだったり、

丁寧だったり、明るかったり、心地よかったりと

聞いている側が居心地の良さを感じる声が必要です。

 

 

その声をどうやったら手に入れられるか???

 

 

それは、本当にちょっとしたことなんです。

そして、誰でもできることで、コツさえつかめばOKなのです。

 

 

それは、「相手がいる場所に声を出す。」

 

たったこれだけです。

 

 

え〜〜〜〜〜!!!
これだけ?????

 

 

とお思いになるかもしれませんが、

本当にこれだけです。

 

相手がいる場所を意識するには、

ちゃんと相手に体を向けて、顔を向けて、声を出すということです。

 

 

これは何も新入社員のみなさんだけのことではありませんよ。

ベテランの人でも、声が聞こえづらい人もいますし、

どうしたら良い声になるかと悩んでいる人も少なくありません。

そういう人は、相手を見ていなかったり、

何か作業をしながら返事をしていたりします。

 

もちろん、トレーニングをした方が良いのは確かです。

けれど、日々の仕事や生活がある中で、

声を鍛えるトレーニングをどれだけの人ができるでしょうか?

そういうことも踏まえて、

「相手がいる場所に声を出す。」そうお伝えしています。

 

新入社員のみなさんは

研修で仕事の基本を学んで現場に入っていきます。

不安や心配もあるでしょうが、

配属された場所で、がんばろうという気持ちを持って仕事を始めます。

 

その時に、周りで働いている上司や先輩が、

お手本になっていないこともしばしばあるようです。

そうすると、やる気のある新入社員のみなさんの気持ちを

削ぐことになりかねません。

 

新入社員のみなさんの若い力を発揮してもらうためにも

先に働いているみなさんがお手本になるように願っています。

 

まずはコミュニケーションの基本である声を出すことから。

今週は、「相手がいる場所に声を出す。」

このことを意識して過ごしてみてはどうでしょうか。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

コミュニケーションについての質問などありましたら

お気軽にコメントください。