〜とういうことですよね?という決めつけ

こんにちは。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

ラジオ番組を担当し始めた頃、「〜ですね。」「〜ですよね。」などの「ね。」を頻繁に使っていたようで、先輩から指摘を受けたことがあります。

文末に「ね。」がつくと、これに「?」がついて質問しているようでも、相手に同意を求めている印象になります。また、「〜ということですよね?」という表現だと、相手の考えを決めつけてしまった印象を与えることがあります。

先日、杉良太郎さんが、運転免許証を自主返納をされたことがニュースやワイドショーなどで取り上げられていました。

自主返納に至った経緯や奥様の伍代夏子さんに相談されたのか?など、様々な質問に丁寧にお答えになられていました。そして、ある程度終盤に差し掛かった時に、ある記者の人がこう質問しました。

「明日は我が身と思うことが一番大切ということですよね?」と。

私はインタビューを最初から見ていましたが、杉さんは一言も「明日は我が身と思うことが大切」ということは言葉として表現されていませんでした。話の内容からすると、もしかしたらそれに似たこともあったかもしれませんが、この質問に私はとても違和感を覚えました。

この質問に杉さんがどのように返答なさるかと見ていたら、「そうですね。」と同意はせず、かといって記者の方を否定することもなく、ご自身の考え方を話されていました。

みなさんも、話し相手からまるで自分の考えを決めつけられたように「〜ということですね?」と聞かれたら、どんな感じがするでしょうか?

それが、自分が考えていたことであれば同意をされるでしょうが、似ているけれどなんとなく違うと感じたり、そもそもそんなこと言っていないということだと、どう答えるでしょうか?

今回の「明日は我が身」に関しては、

「明日は我が身と思うことが一番大切ということでしょうか?」

とそのまま聞けば、押し付けや決めつけという印象は薄れます。

ただできれば、相手が言ってない言葉を聞き手が自分の視点で変換するよりも、相手が発した言葉で聞き返した方が、相手も答えやすくなります。

質問の仕方。
それによって答え方や信頼関係も変わってきます。

みなさんは相手の話を聞く時に、どんな風に聞いていますか?

最後まで読んでくださりありがとうございます。ご質問やご感想はお気軽にお寄せください。

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衣装の色が話す力をサポート

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先週までの2週間は、TEDxKyotoのスピーチトレーニングから少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしましたが、今週からは本番前や本番でのお話に戻ります。

今回は、衣装の色についてです。
人前で話すとき、皆さんは衣装や衣装の色を意識していますか?

今回、私は諸橋さんに白系の衣装をお勧めしました。その理由は、ステージの色とのバランスはもちろんですが、諸橋さんの凜とした強さを感じてもらえると考えたからです。(下画像:TEDvKyoto登壇の諸橋寛子さん)

TEDxKyotoのこれまでの映像を見た所、ステージは、ブルーやグレー、黒などの少し暗めな色が多く、赤字でTEDxKyotoの文字がバックに配置されていました。また、フロアには赤のマットが敷かれていました。

そういうところで、黒や濃紺、赤の色味の衣装を着てステージに立ってしまうと、どうしてもステージに溶け込み過ぎてしまい、スピーカーが沈んでしまいます。

今回のステージであれば、黄色や明るい緑、ゴールドなど色々と考えられるものがあります。しかし、諸橋さんの話す内容や諸橋さんの凜とした強さを出すことも考えると、そういう色味ではなく白がベストだと考えました。

今回のTEDxKyotoでは、諸橋さん以外にも14名の方が登壇されました。そのお一人お一人の衣装を見ても、それぞれの話やご自身の個性を表現されています。

ちなみに私は司会の時は、出演者の方々の衣装の色とかぶらないように事前に確認をしますし、イベントの内容によって衣装の指示があるので、それに合わせて決めています。

また、キャリアコンサルタントのように人に話を聞くこと(カウンセリング)が主体の場合は、相談者が話しやすいように柔らかい印象を与えられるようなベージュ系の色を意識しています。

みなさんも、人前で話すときは服装に気を配っているかと思いますが、そこに加えて色も意識してみてください。
もちろん、似合う似合わない、着ていて落ち着く落ち着かないなどもありますが、話の内容や話し手自身を表現する上でも、色というのは大切な要素です。

例えば、スーツを買い換えるのは難しくても、女性であればインナーやスカーフなどで色味を加えることができます。男性であれば、シャツやネクタイ、ポケットチーフなどで色味を加えることができます。

視覚要素である衣装とその色もまた、話す力を高める要素の一つです。
TPOに合わせつつ、かつ、話し手自身の想いが伝わる衣装と色選びを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。

ユナイテッドウェーブス合同会社
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マイクはニギらないで!②

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。
今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」ですが、本題に入る前に前回は「ハウリング」についてお伝えしました。今回はもうひとつの予備知識「マイクの指向性」についてです。

マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こうした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性は周波数によっても変化しますが、大きく以下のように分類できます。(下図参照) 

【無指向性(全指向性)】

どの方向からも同じ感度で収音するもの。置かれた場所に集まった音のすべてが、振動板に届いて電気出力となります。言い方を換えれば、マイク本体(振動板)の向きや角度に関係なく、音の大きさだけに反応する性格を持ちます。振動板の前方だけが音場に対して拡げられている構造を持ちます。

【単一指向性】

一つの方向からの感度が特に高いもの。カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドに大きく分けることができます。無指向性と構造が違うのは、振動板の後ろ側にも音の通り道として穴や溝が設けられている点。後方で鳴った音は、まずこの穴や溝から入って振動板の裏側に届きます(間接音)。同じ音は回り込み、少し遅れて振動板の表側にも届きます(直接音)。そこで、穴や溝から振動板の裏側までに障害物などを置いて間接音の速度を遅らせ、直接音と同時に到達するようにすると、この音は振動板の表と裏で同時に生じた同量のエネルギーとして相殺され、電気出力になりません。

前方で鳴った音は、まず先に振動板の表側に伝わります。その後の裏側への回り込みは、例の障害物によって到達がさらに遅くなります。この時間差によってエネルギーは相殺されずに電気出力されます。そのためこのマイクは、前方への単一な指向性を持つ事になります。後ろ側の穴や溝は前方の音を大きく捉えるためにあります。そして後方で鳴った音を、振動板の表と裏に同時に到達させるための障害物の設計が、マイクメーカーの工夫の見せどころとなります。

【双指向性】

正面と背面、二方向からの感度が特に高いもの。このマイクについての詳しい説明は今回は省きます。

次回は「マイクをニギる」の謎が解き明かされます。お楽しみに。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?
専門的な話になり、少し難しいと感じたかもしれませんが、これがマイクの持ち方に深く関わっています。

ただ、みなさんが普段使っているマイクの多くは単一指向性(中でもカーディオイド)です。どの角度からの音が入りやすく、どの角度からの音が入りにくいのかを知ると持ち方を考えるきっかけになります。

具体的な持ち方に関しては、次回に。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
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マイクはニギらないで!①

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。前回に続いて「○○しないで!」というタイトルになってしま いましたが、今回からマイクの持ち方について書こ うと思います。

さて、今回のテーマ「マイクはニギらないで」ですが、マイクを握らないと持つことはできません。ここで言う「握る(持つ)」と「ニギる」は違うことを表します。
ちなみにこの「ニギる」という言葉 は、私が経験してきた現場では普通に使っていま したが、業界標準の言葉ではないのでそれはご承知置きください。


本題に入る前に予備知識を2つ説明します。それは「ハウリング」と「マイクの指向性」です。
まずは「ハウリング」です。ハウリングとは、マイクに入った音が増幅されス ピーカーから出て、そのスピーカーから出た音が再 びマイクに入り増幅されスピーカーから出てまたそ れがマイクに・・・と信号がループして発振し、「ボー」とか「キーン」などという音がすること を言います。スピーカーの前でマイクを使ってハウリングを起こした経験を持つ人もいるでしょう。

そしてもう一つ「マイクの指向性」です。マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こ うした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性の詳しいことは、また次回。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?

マイクの持ち方ひとつで、声の入り具合が違ってきます。
私もマイクを使う時は、とても気をつけています。

みなさんも、こんな経験はないでしょうか?
話している時に、「ボン、ボン」と音が入ること。これは、話し手の息がマイクに当たることによって出る音です。そういう人が話していると、聞いている人はなんだか落ち着きませんよね。

これは、話し手の話し方の問題ですが、それを緩和するマイクの持ち方というのがあります。それについては、次回の田村の指向性の話の後にお伝えします。

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マイクのスイッチの確認方法〜マイクは叩かないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

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マイクは叩かないで!③
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

前回までは、マイクの仕組みをお伝えし、なぜ、マイクを叩いてはいけないのかを書いてきました。

「マイクは叩かないで!」最終回はマイクを叩かずにスイッチが入っているか確認する方法です。

①話す
「えー」「あー」や、軽く咳払いをするなど、単純ですが最も有効な方法です。

②ガリ
たいていのマイクの音が入る部分は金属の網になっています。ここを爪でガリガリとひっかくことを「ガリ」といいます。声が出せない時など、こっそり確認したいときに有効です。

ただし、「フーフー」とマイクに息を吹きかけることは叩くことと同じくらいシステムに負担がかかるのでNGです。

3回に渡ってお届けした「マイクは叩かないで!」いかがでしたでしょうか?今後マイクを叩いたり吹いたりしないよう、ご協力よろしくお願いします!

 最後に小ネタですが、マイクを叩いたり吹いたりすることの由来は・・・

初期のマイクは「カーボンマイク」という2枚の板状の電極の間に炭素の粉を挟んだ構造になっていました。使用時にこの炭素の粉が固まっているときがあり、これを解消するために叩いたり吹いたりしたそうです。(諸説あります)

弊社テクニカル事業部の田村のコラムいかがだったでしょうか?

カラオケが広まったこともあるのか、マイクはとても身近な音響機材の一つになっているように思います。
そんな身近にあるマイクだからこそ、使うみなさんには、その特質を知って、より効果的に使っていただきたいと感じています。

明日からは、どう使えばいいのかを田村の話で綴っていきますが、私自身、マイクの使い方はとても意識している部分です。

「話す力」を高めるためのマイクの効果的な使い方。
ぜひ、みなさんもマイクを味方につけてください。

前回までのブログをご覧になっていない方は、こちらも参考にどうぞ。

https://united-waves.jp/wp/2019/03/07/マイクを味方に%E3%80%82〜マイクは叩かないで!①/
https://united-waves.jp/wp/2019/03/08/マイクは話し手の大切な道具〜マイクは叩かない/

諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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ハプニングを楽しもう!!

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

昨日は、練習は本番通り、本番は練習通りというお話を書きましたが、練習では予想もしなかったことが、本番では、多々起こり得ます。

今回のTEDxKyotoにおいても、本番でハプニングがありました。

その一つは、マイクの音。
もう一つは、観客の状態です。

今回のマイクはヘッドセットでした。
ヘッドセットの場合は、通常、話し手が自分でスイッチの入り切りをすることはありません。しゃべり始めに合わせて、音響の人が操作をして音声が入るようになります。

ただごく稀に、話し始めの音が入らないことがあります。
この多くは、音響の人のタイミングが遅れていたり、音声を入れ忘れているときに起きるのですが、話し手にとっては、この最初の音が入っていないと感じた瞬間に、焦りが生じたり、緊張が高まったりするのです。また、「このまま話し続けてもいいのだろうか?」などの不安も起きます。

もともと緊張で張り詰めた中ステージに立っているので、話し始めに不安が生じると、その後に影響することも多々あります。音響に限らずこのような周囲のミスは、私も幾度となく経験してきました。

もし今回のように、話し始めの音が入っていないと感じた場合の対策は、もう一度最初から話すということです。
また、もし、話し始めからしばらく入っていなかったら音響機器のトラブルも予想されるので、「マイクの音が入っていないようですね。どうでしょう?聞こえますか?どうでしょう?」などと繰り返し、自分の声が入ったら「改めて、みなさん、こんにちは。」とハプニングへの軽い一言を加えて、最初から話し始めるという方法もあります。

ちなみに、ハプニング対応のちょっとした一言で、会場の場も和んで観客の聞く意識を高めることもできますし、話し手自身も緊張の糸がほぐれることがあります。

マイクのトラブルは、基本的には音響機器などのトラブルによりますが、まれに話し手がマイク自体のスイッチを切っている場合もありますので、話し手も、自分がどんなマイクを使っているのかを知っておくといいかもしれません。

諸橋さんは、マイクのことは気にならなかったそうですが、観客の様子(聞いている状態)が気になったそうです。本番の諸橋さんを見ていましたが、緊張は感じられるものの堂々と落ち着いて最後まで話されていたので、この話を聞いて驚きました。

確かに客席の様子はリハーサルではわかりません。また、ステージから客席がどう見えていたのかは、話し手本人にしかわかりません。

スピーチを終えた諸橋さんに聞くと、本番では、椅子席の前とステージの間にクッションソファのようなラフな椅子が設けられていて、横たわって聞いている観客もいたということでした。

ステージはスポットが当たっているので、登壇者は観客の姿は意外に見えないものです。しかし、このクッションソファがあったステージの前あたりは、登壇者からも見えやすい明かりと位置だったこともあり、観客の聞いている姿が、より見えたのだと考えます。

この話を聞いた時、私がもし登壇者でも気になっただろうと感じました。
そういう状態で聞く人が座るというのを、話し始める前にわかっていれば、必要以上に意識することは無かったかもしれませんが、無いと思っていたものが急遽現れたり、逆に、あると思っていたものが突然無かったりすると、驚いてしまいます。頭に入れていた話す内容も、一瞬飛んでしまうこともあります。

以前私がとても焦った経験は、リハーサルまで使っていた司会台の手元明かりが、本番が始まって司会台に立つと、全く別物に変わっていたことです。
そのイベントでは、私の話し始めの際はステージも会場全体も暗めの照明の演出でした。司会用のピンスポットが当たるとはいえ、やはり手元に明かりが無ければ、台本を読むのに厳しく、リハーサルの時点で司会台に明かりを用意してもらいました。

手元明かりもいくつか種類があるので、リハーサルでその使い方をシミュレーションしていたのですが、本番で用意されていた明かりは、これまで使ったこともないもので、スイッチがどこにあるのかさえ不明。それでも明かりを点けなければ台本を読めないので、最初の覚えているフレーズを平然と話しつつ、手は明かりのスイッチを探していたこともありました。

今では、笑い話のひとつです。

今回のTEDxKyotoに限らず、イベントなどにおいてハプニングはつきものです。
想定していても想定通りにはいかないもの。
ハプニングが起きた時は、そのハプニングの流れに合わせて対応できるちょっとした心の余裕があると、ハプニングを味方につけてイベントがより面白いものになることもあります。

ハプニングが起きた時こそ、チャンス!
ハプニングを楽しもう!!

そのためには、やはり練習を重ねることです。そしてできれば、経験を重ねることです。
「何が起きても大丈夫!」と思えるくらいの練習と、様々な経験を重ねていけばハプニングはチャンスに変えられます。

そして、本番を楽しめるくらい心の余裕を持って臨めるようになりますよ。



諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
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練習は本番通り、本番は練習通り

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoで登壇された一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション諸橋寛子さんのスピーチトレーニングについて、引き続き綴っていきます。

諸橋さんのスピーチトレーニングの日は、本番同様に全部を話していただき、それを撮影して見直して改善するを繰り返しました。

本番をイメージして練習する。

この練習はとても重要です。

なぜなら、本番では練習の時とは違う緊張があったり、様々なハプニングがあったりするからです。どんなに本番をイメージして練習しても、本番では練習と違うことが起きます。練習は上手くできていたのに、本番になると思ったような力を発揮できないという人がほとんどです。


それなら、本番を想定した練習は必要ないじゃないかと思うかもしれませんが、それは逆で、本番で練習通りの力が発揮できるように、練習でこそ本番通りに練習することが欠かせないのです。

私は高校生の頃、放送部でこの練習を毎日行っていました。

高校放送部には、アナウンスと朗読の大会があります。その大会では、出場者一人一人がステージに上がり、アナウンス原稿や朗読原稿を読み審査が行われます。

大会本番は、なんとも言えない緊張した空気の会場の中で、一人マイクの前に座り原稿を読みます。その前には、出場者を含め大会出場校の生徒や先生が30人ほど。審査員は別室で聞いています。読み間違えたり、詰まったりすれば、もちろん減点です。そこに、抑揚、メリハリ、緩急、間やブレスの取り方など表現力も審査基準です。本当に極度の緊張の中臨みます。

そのため、練習では、自分が一番しゃべりやすいマイクの置き位置や座り方、原稿の持ち方なども掴むこともしていました。
何より、本番の緊張感を持ちながら練習することで、本番でどんなことが起きても、動揺することなく最後まで集中して取り組む力が身につきました。

例えば、もし途中で詰まっても、そこで「すみません。」と謝ったり、何度も言い直したりすることはせず、詰まった程度であればそのまま読み進めます。

もし、読み間違えた時は、「失礼しました。」などは言わずに、読み間違えた言葉を言い直して読み進みます。

もし、途中で詰まった時、それが気になってしまうと、また詰まってしまい失敗が失敗を招くので、失敗は気にせずに立て直して読み進めて行きます。

こういった具合に、失敗した時の心構えや立て直しの仕方は練習で身につけて、本番で自然に対応できるように身につけます。

私は高校時代、こういったトレーニングの積み重ねのおかげで、程よい緊張で大会に臨むことができていたように思います。おかげで全国2位を始め数々の賞を受賞することができました。

今思い返せば、この時、体に身につけたどんなハプニングに出会っても話し続けられる対応力は、放送局で仕事を始めた時にも、そして今も役立っていると感じています。

しかし、詰まった時につい「すみません」と謝ってしまう。ちょっとした失敗の後に失敗の連鎖が起きる。これらは、誰もが必ずと言って良いほど通る道です。だからこそ、何度も練習して失敗なく話せるようにするのはもちろん、失敗した時に、どういう対応をするかを瞬時に判断し、動けるように練習を重ねるのです。

以前、フィギュアスケーターの鈴木明子さんにインタビューをしたときに、「途中でミスをした時はどうしているのか?」と聞いたことがあります。
フィギュアスケートは、音楽に合わせて演技をしているので、どこかで転んだりすると音楽と合わなくなるのではないかと、いつも疑問に思っていたからです。

その時に鈴木明子さんは、このようにお話しされました。

「練習の時から転んだ時などにどうするかの練習をしています。振り付けのポイントがあるので、そこに合わせるようにしています。」

加えて、

「止まっていたらダメなんです。演技をしていないのは表現していないので審査にならないんです。 とにかく、1秒でも早く演技に戻れるように練習しています。」と。

その話を聞き、プロであればあるほど、一流であればあるほど、練習の重ね方が違うのだと教わりました。

NHKハート展 鈴木明子さんトークショー

練習は本番通りに、本番は練習通りに。
これができるようになるまで、何度も何度も練習を繰り返すこと。
これが、成功の鍵です。

しかし、練習で本番通りにできていても、本番で練習通りにできることというのは、かなりハードルが高いものです。それは、本番では、練習では想像もしていなかった緊張が訪れたり、思いもよらないことが往々にして起きるからです。

実際、今回の諸橋さんのスピーチでもハプニングがありました。
その辺りは、また次回のブログで。

スピーチやプレゼンテーションの練習をしている人は、ぜひ、本番をイメージして本番通りに練習を重ねてください。
それが、話す力を磨くトレーニングです。


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シャドーイング

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

引き続き、TEDxKyoto本番に向けた具体的なトレーニングについてお伝えしていきます。

今回は「シャドーイング」です。

昨日は、お手本と合わせて練習するコーラスリーディングをご紹介しました。今回のシャドーイングもお手本を聞いて話すと言うのは似ていますが、シャドーイングは、お手本を聞いてその後に続けて話すというものです。

諸橋さんのトレーニングでは、この方法を行いませんでしたが、TEDxKyotoの前日のリハーサルの時に、他の登壇者のトレーニングサポートで行いました。

シャドーイングは、英語の勉強ではよく使われているので、「英語ではやったことがあるけれど」という人がほとんどだと思います。実際、TEDxKyotoの登壇者のみなさんもそうでした。日本語をシャドーイングするというのは、新鮮な感じだったのではないでしょうか。

シャドーイングのポイントは、お手本を聞いた通りに声にすることです。お手本を聞いて頭で考えず、その通りにすぐに声にすること。ここがポイントです。

言われたことを頭で考えてしまうと、口に出すまでに時間がかかります。結果、お手本通りではない自分の話し方のままになってしまいます。
また、できるだけ短く区切って練習をした方が効果が高まります。

TEDxKyotoには、スピーチトレーニングされる専属のスタッフの方がいらっしゃいます。今回は、その方と共にお手伝いをさせて頂きました。リハーサル前の発声練習と、リハーサルの登壇者の映像を確認しながら練習といった具合に、詰めの練習での立ち会いです。

その際、TEDxKyotoの専属スタッフさんから、「シャドーイングをお願いします。」と言われ、トレーニングをさせていただきましが、私の区切り方が少し長目だったようで、「もう少し短く、単語ぐらいで区切って行ってください。」とアドバイスをいただきました。

そこからは、短い言葉でのシャドーイング。
短い言葉で区切ったことで、それまで不自然だったイントネーションが、短時間で自然なイントネーションに変わって行きました。

シャドーイングは私も普段のトレーニングで行っていますが、できるだけ短く区切る点は、これ以降注意して行っています。

話し方に磨きをかけたいと言う人は自分で練習することも大切ですが、お手本となる人と一緒に練習することをおすすめします。それが上達への近道かもしれませんよ。

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ブレスと間の関係

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先日から、綴っているTEDxKyotoで登壇された一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーションの代表理事 諸橋寛子さんのスピーチトレーニングで、私自身が改めて気づいた点をブログにまとめています。

今回のスピーチのように決まった原稿を覚えて話すというときに、誰もがほぼぶつかる壁は、不自然なイントネーションです。昨日は音の上がり下がりについて書きました。

今日は、ブレス(息)と間の取り方についてです。
ブレスと間の取り方もまた、文章のつながり方と関係しています。

ここでもまた昨日、例に出した文で説明しましょう。

「私は、フリーアナウンサーの三島澄恵です。」

この一文であれば、通常話しているときは途中でブレスを取らずに一息で話しますが、これが原稿になっていると、次のように話す人がほとんどです。

「私は、(ブレスを取る)フリーアナウンサーの(ブレスを取る)三島澄恵です。」という具合です。

「私は」の後でブレスを取ると、「は」の音が下がり、「フリーアナウンサー」の出だしの音が高くなります。「フリーアナウンサーの」の後でブレスを取ると、同じように「の」で音が低くなり、「三島」で音が上がるため、不自然なイントネーションがつきます。

また、ブレスを取ると、その分、間が必要になります。ほんのコンマ何秒のことですが、そのわずかな間が文章の意味と関係しています。

例文ですが、「私は」の後の間の長さと「フリーアナウンサーの」の後の間の長さは、若干ですが、前者の方が長くなります。それは、「私は」よりも「フリーアナウンサーの」の方が、三島澄恵とのつながりが強くなっているからです。

ブレスや間の取り方、昨日お伝えした音の高低については、文章でお伝えするのはなかなか難しく、分かりづらかったかと思いますが、1文が長くなると伝わりづらくなることはお分かりいただけたでしょうか?

今回の諸橋さんの原稿は、長い文章でも1文80文字少しです。他の文章は概ね60〜70文字で、短いものであれば20〜30文字です。ニュース原稿などでは120文字近いものもありますが、それは長い文章で、多くは70〜80文字前後です。

文章が長ければ長いほど、主語と述語の関係性や、説明する語の関係性が分かりづらくなるので、スピーチ原稿やプレゼンの話す内容をまとめている人は、もう一度、1文の長さを見直してみてください。

そして準備ができたら、必ず声に出して練習してみてください。そうすると、話しやすさや伝わりやすさを確認することができます。

次回は、実際にどのような練習をすればいいのかをお伝えします。

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日本語の特徴を話し方に生かす

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先日から、綴っているTEDxKyotoで登壇された一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーションの代表理事 諸橋寛子さんのスピーチトレーニングで、私自身が改めて気づいた点をブログにまとめています。

昨日は、原稿を話すように読むという話でした。

今日は、日本語の特徴を話し方に生かすという点でお伝えします。

日本語の基本的な構造は、主語があり、その間に言葉が入り、通常最後に述語がきます。述語は、主語が何をした、どうしたなどの部分になります。

昨日例に出した「私は、フリーアナウンサーの三島澄恵です。」という文章であれば、「私は」という主語は、三島澄恵という部分に繋がらないと意味が成立しません。「私は」が「フリーアナウンサーの」の部分にかかってしまうと意味が違ってきます。

「私は」が「三島澄恵です」に繋がるには、私はの「は」の部分の音の高さが上がりすぎても下がりすぎても、意味が成り立たなくなります。

実際に、声に出して言ってみるとわかりやすいでしょう。できれば、録音をして聞き直してみてください

私はの「は」の音を上げて、「私は、三島澄恵です。」

私はの「は」の音を下げて「私は、三島澄恵です。」

どうでしょうか?なんだか不自然に聞こえ、意味のつながりがわかりくいのではないでしょうか?

さて例題は、「私は」と「三島澄恵です。」の間に、三島澄恵を説明する「フリーアナウンサーの」が入っています。フリーアナウンサーという言葉は、三島澄恵につながっていく必要があるわけです。そのため、「フリーアナウンサーの」の「の」の部分の音もまた、高が上がりすぎても下がりすぎても、意味が成立しなくなります。

最初にお伝えしたように、日本語は、主語と述語の間に、様々な説明が入ります。主語と述語の間に言葉が入れば入るほど、主語と述語が離れてしまい意味がわかりづらくなります。さらには、不自然なイントネーションがついたり、不自然な間を取りやすくなる原因になります。スピーチや挨拶、プレゼンテーションなど、人前で話す時はできるだけ1文を短くした方が、主語と述語の関係性が分かりやすくなります。それにより、聞いている人は理解しやすくなりますし、話し手自身も話しやすくなるわけです。

今、話す内容を考えている人は、この点を踏まえて文章を作ってみてください。文章を作ったら実際に声に出してみて、話しやすいかや聞き手がわかりやすいかを確認し、もう一度練り直してみてください。

昨日のブログに書きましたが、この不自然な音の上がり下がりは、原稿を見ながら話したり、または、覚えて話す場合に、誰もが一度は必ずと言っていいほどぶつかる壁です。
諸橋さんだけでなく、今回、TEDxKyotoで日本語で登壇された人ほぼ全員がこの壁にぶつかっていました。それを自然な話し方にするためのアドバイスやトレーニングについては、改めてお伝えします。

音の高低は、ブレスを取る(息を吸う)場所や間の取り方とも関係していますので、次回は、その点をお伝えしていきます。


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