リーダーこそ話し方アップを!

こんにちは。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

今月は株主総会などもあり、企業の催しの司会やナレーションを担当させていただいています。

最近は、話し方をトレーニングされている経営者やエグゼクティブの方が多いように感じますが、それでもやはり、まだまだリーダーとしての説得力を備えた話し方をされている人は少ないように思います。

今日は、話し方アップの3つのポイントをお伝えします。

1つ目は、自分から一番遠い人に向けて声が届く心持ちで声を出すということです。
パブリックスピーキングの場合、マイクが用意されていることが多いと思いますが、マイクに向かって話をしている人が少なくありません。

マイクは拡声するものであって、話し手が出している声の質を良くするものではありません。張りがない声は張りがないままに、メリハリの無い声はメリハリのないままです。そのため、声に説得力は生まれません。

マイクがあるから大丈夫ではなく、マイクがあっても張りやメリハリのある声を出すことが重要です。そのためにも、声を出すときは、一番遠くの人に声が届くように声を出すことを意識してください。

2つ目は、「え〜」や「あの〜」などを挟まずに話すことです。

「え〜」「あの〜」などを言っている人は、そもそも自分が言っていることに気づいてない場合が多いです。トレーニングの際に録画をしてそれを見返してもらうと、みなさん口を揃えてこう言われます。

「こんなに、『え〜』って言っているとは思っていませんでした。」と。

そしてその後、「え〜」や「あの〜」などを言わないことを意識してトレーニングすると、そのことばかりが気にかかり話に詰まる人がほとんどです。ということは、それほど普段から「え〜」や「あの〜」などがクセになり、無意識に言っているということです。クセを取るのは少し時間がかかるかもしれませんが、必ず取ることができます。

何より「え〜」や「あの〜」などが無くなるだけで、説得力は高まります。

「え〜」や「あの〜」などはクセということもありますが、話し手が不安を持っている時に出やすいものです。話し手が不安ということは、聴衆も同じように不安を抱くことになります。
さらには聴衆にとっては、耳障りになり、「え〜」や「あの〜」などばかりが気になって、話し手の話の内容が入って来ないことにも繋がります。

また、「え〜」や「あの〜」などが言葉の前につくと、大切な言葉にメリハリがつきづらくなります。
例えば「え〜みなさん、え〜今日は、あの〜お集まりいただきまして、え〜ありがとうございます。」これを声に出して言った際に、その音の流れのまま言葉を発することになるので、「みなさん」の「み」や「今日は」の「きょ」など、言葉の始めの音がはっきりとしないので言葉にメリハリがつきづらくなります。
本来は、「みなさん」「今日」「お集まり」「ありがとう」という言葉がはっきりと聞こえる必要があるのですが、「え〜」や「あの〜」などがつくと大切な言葉(伝えたい言葉)が伝わりにくくなるのです。

何より、「え〜」や「あの〜」などを挟まずに、その部分が「間」に変わることで、落ち着いた印象になり、説得力のある話し方に変わります。

3つ目は、日本語の特性を知って生かすということです。

日本語のアクセントは音の高低で決まっています。こちらに関しては、以前、ブログに記していますので、そちらをご参考ください。↓
https://united-waves.jp/wp/2019/06/12/アクセントにはやっぱり悪戦苦闘/

また日本語は、話し始めの音が最も高く、その後、上がり下がりをしながら徐々に音が下がっていきます。この途中の音の上がり下がりが不自然だと、原稿を読んでいる(文章の文字を追っている)印象が強くなり、言葉に全く説得力がなくなります。

例えばさきほどの「みなさん、今日はお集まりいただき、ありがとうございます。」であれば、「みなさん」の音が高く、途中上がり下がりを繰り返しながら、「ございます。」は「みなさん」よりも低くなります。もし「ございます」の音が「みなさん」よりも高くなると不自然な印象になります。

特に原稿があってそれを話すとなると、文章を読んでいる感が否めない人がほとんどです。原稿を自然な口調で話すというのは、少しだけトレーニングが必要ですが、日本語の特徴を知っていると、そのトレーニングも身につきやすくなります。

経営者やエグゼクティブのみなさんは、組織内に限らず、外部の方に向けて話すことが多々あると思います。今の時期であれば株主総会はそのひとつかと思いますが、そういう具体的な場を想定してトレーニングをした方が、より効果は高くなります。

話し方は急には上達しません。筋トレと同じように日々の積み重ねです。いざという時のために、今から始めてみられてはいかがでしょう。

リーダーの持つ「ビジョン」が伝わること。
リーダーの「想い」が伝わること。
リーダーの「希望」が伝わること。
みなさんは伝えられていますか?

組織は、リーダーのみなさんの伝える力で変わります。
まずは、ご自身の話し方を見直してみてください。

経営者やエグゼクティブのみなさんを対象にスピーチトレーニングを行なっていますので、ぜひご参考ください。
https://united-waves.jp/pg123.html

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◯◯気取り、なりきりスイッチ

こんにちは。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

「◯◯気取り、なりきりスイッチを入れる」


これは、私がアナウンスを練習し始めた頃から使っている方法ですが、表現力がぐっと変わり、話す時にも自信や説得力が生まれるテクニックです。

「◯◯気取り、なりきりスイッチを入れる」というのは、みなさんが「こんな風に話せたらいいな」という人になりきるというものです。特定の人物でも良いですし、イメージを持っている話す職業やイメージできる雰囲気などで構いません。

例えば私は、ニュース原稿の練習を始めた頃(当時はまだ高校生でした)、「アナウンサー気取り」で、まるでアナウンサーになったかのような気分で練習していました。

今でも、司会やナレーションの時に、その場に合わせて表現をするためにこの方法を使っていますが、これだけで表現力は変化します。

話すというのは、内容と表現力の両方が揃ってこそ聞き手に伝わりますが、内容はすでに決まっている場合は、表現力(口調やボディーランゲージなど)が伝わり方を左右します。

せっかくの良い話も表現力が乏しければ、その良さは半減し伝わりにくくなります。しかし、表現力が豊かであれば、その良さは何倍にもなり、聞き手の心に届きます。

そして、その表現力を高める一つの方法が「なりきりスイッチ」です。

ただし、この「なりきりスイッチ」
恥ずかしさを持って挑むと、中途半端な表現になり効果がありませんので注意が必要です。もしトライされる人は、なりきりスイッチをしっかりと入れて、自信を持って本番に臨んでください。

今年度は、どこかのタイミングで話し方セミナーを開催しようと考えています。
決まり次第、こちらのブログやホームページでお知らせします。

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アクセントにはやっぱり悪戦苦闘

こんにちは。

フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先日、久々にアクセントに悪戦苦闘したナレーションの収録がありました。

普段は、映像を見ながら、その映像に合わせた表現でナレーションを収録します。専門用語は少なく、自然な感じの言葉でのコメントの場合がほとんどです。

けれど今回は、専門用語や単語と単語が組み合わさりひとつの単語になっていたり、アクセント辞典に載っていない言葉もちらほら。巻末の解説・資料編で確認しながら、アクセントを調べて準備しましたが、それでも収録中に、依頼者の希望に添って変更の連続。
なかなか難しいと感じた収録でした。

ところでみなさんは、日本語のアクセントのことご存知ですか?
日本語のアクセントは、音の高低で決まる高低アクセントです。
英語は、単語のある部分を強く発する強勢アクセントです。

英語のアクセントは学校の授業で教わるので馴染みがあるかもしれませんが、日本語は国語の授業などでもアクセントなんて教わりません。そもそも、アクセント辞典の存在さえ知らない人の方が多いと思います。

日本人として母国語のアクセントを知らない人が多いというのは、正直私としては残念な気持ちですが、私も、高校時代に放送部に入らなければ、アクセント辞典の存在を知らずにいたと思います。

日本語のアクセントの基本の型は4つです。

頭高、中高、尾高、平板です。

例えば、「はし」
アクセントによって、3つの意味を表す言葉になります。

それは、端・橋・箸

箸は、「は」の部分の音が高くなる頭高と言われる型。

端と橋はそれだけを言えば、「し」の部分の音が高くなり同じように思いますが、助詞の音の違いで変わります。
どういうことかというと、例えば、「端に行く」「橋に行く」だとすると、端・橋の後にきている助詞の「に」の音にポイントがあります。

端の場合は、「し」の音と助詞の「に」の音が同じになる平板型です。
橋の場合は、「し」の音より助詞の「に」の音が下がる尾高型です。

アクセント辞典では、このように表記されています。

もう一つ中高型のアクセントは、単語の間にアクセントがあるものです。
例えば、「たまご」は「ま」の音が「た」と「ご」よりも高くなります。

この基本の4つの型が日本語のどの単語にもありますが、単語と単語が組み合わさる複合名詞になると、その単語単体のアクセントでは無く、複合名詞としてのアクセントに変化するものがあります。

たまござけになると、「ま」で音が上がり「ご」まで音は同じ高さで、「ざ」で音が下がります。たまごどーふだと、「ま」で音が上がり「ど」まで同じ音の高さで、長音の「ー」で音が下がります。

アクセントは、地域独特なものもあれば、特定の組織など特有なものもあります。

例えば、収益という単語は、アクセント辞典では平板型が第1アクセントですが、ある企業では、第2アクセントの頭型で発音してほしいという希望もありました。

第1アクセントは最も推奨されるアクセントで、第2アクセントはそのアクセントでも許容されているアクセントです。

そういう場合、その場所で使われているアクセントを優先します。もしそれが、アクセント辞典に載っていなかったり、推奨されていないアクセントでも、大切なのはその場で使っている人たちの言葉が大切だと思うからです。

言葉は生き物なので、アクセントも時代と共に変化しています。
2016年に18年ぶりに改訂されたNHKの日本語アクセント辞典でも、それを感じることができます。

ちなみに「ドラマ」という言葉は、「ド」の音が高い頭高のアクセントですが最近では平板型で話している人が増えています。今回のアクセント辞典でも頭型のみの記載でしたが、もしかしたら次回改訂の時は平板型が許容されているか、それが第1アクセントになっているかもしれません。

私は職業柄、普段から意識しているものの、やっぱり福岡育ち。
時々、いえいえかなり頻繁に、アクセントの違いを感じたり指摘を受けることがあります。自分では正しいと思っていたアクセントが違っていて驚いたりもします。

なので、アクセント辞典は欠かせない存在です。

日本語のアクセント。
みなさん生まれた時から気にしたこともなく話す母国語で、当たり前のように身についていると思います。

方言やみなさん自身の特有のアクセントは尊重しつつも、一度、自分の国の言葉のアクセント辞典に触れてほしいなと思います。

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衣装の色が話す力をサポート

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先週までの2週間は、TEDxKyotoのスピーチトレーニングから少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしましたが、今週からは本番前や本番でのお話に戻ります。

今回は、衣装の色についてです。
人前で話すとき、皆さんは衣装や衣装の色を意識していますか?

今回、私は諸橋さんに白系の衣装をお勧めしました。その理由は、ステージの色とのバランスはもちろんですが、諸橋さんの凜とした強さを感じてもらえると考えたからです。(下画像:TEDvKyoto登壇の諸橋寛子さん)

TEDxKyotoのこれまでの映像を見た所、ステージは、ブルーやグレー、黒などの少し暗めな色が多く、赤字でTEDxKyotoの文字がバックに配置されていました。また、フロアには赤のマットが敷かれていました。

そういうところで、黒や濃紺、赤の色味の衣装を着てステージに立ってしまうと、どうしてもステージに溶け込み過ぎてしまい、スピーカーが沈んでしまいます。

今回のステージであれば、黄色や明るい緑、ゴールドなど色々と考えられるものがあります。しかし、諸橋さんの話す内容や諸橋さんの凜とした強さを出すことも考えると、そういう色味ではなく白がベストだと考えました。

今回のTEDxKyotoでは、諸橋さん以外にも14名の方が登壇されました。そのお一人お一人の衣装を見ても、それぞれの話やご自身の個性を表現されています。

ちなみに私は司会の時は、出演者の方々の衣装の色とかぶらないように事前に確認をしますし、イベントの内容によって衣装の指示があるので、それに合わせて決めています。

また、キャリアコンサルタントのように人に話を聞くこと(カウンセリング)が主体の場合は、相談者が話しやすいように柔らかい印象を与えられるようなベージュ系の色を意識しています。

みなさんも、人前で話すときは服装に気を配っているかと思いますが、そこに加えて色も意識してみてください。
もちろん、似合う似合わない、着ていて落ち着く落ち着かないなどもありますが、話の内容や話し手自身を表現する上でも、色というのは大切な要素です。

例えば、スーツを買い換えるのは難しくても、女性であればインナーやスカーフなどで色味を加えることができます。男性であれば、シャツやネクタイ、ポケットチーフなどで色味を加えることができます。

視覚要素である衣装とその色もまた、話す力を高める要素の一つです。
TPOに合わせつつ、かつ、話し手自身の想いが伝わる衣装と色選びを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。

ユナイテッドウェーブス合同会社
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マイクはニギらないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」です。いよいよ本題です。

今回例に使用している下の写真のマイクですが、前回説明した指向性は単一指向性(カーディオイド)となっています。ちなみにSHURE(シュア)製SM58というマイクで、50年以上前に誕生し現在でも業界標準となっているものです。

SHURE(シュア)製SM58

下の写真が正しい持ち方です。音を拾う振動板の部分(銀色の金網部分)が何にも遮られておらず、設計通りのカーディオイドの性能が発揮されます。写真では上方からの音に対して最も感度が高くなります。

そして下の写真が、マイクを「ニギ」った状態です。

一見すると周りの音を遮って一方向からの音だけが入ってきそうですが、前回説明した通りマイクの指向性は後方からの音も振動板に届くことにより実現しています。この状態では後方からの音が振動板に正しく届かず結果として無指向性になってしまい、周囲の音360°に対して同じ感度となります。
この状態のマイクの音量を上げると、拡声したい音以外の音量も上がり、結果ハウリングが起こりやすくなります。

 

皆さんもカラオケに行ったときに、この持ち方をするとハウリングしやすいと思ったことはありませんか?見た目はかっこいいかもしれませんが、マイク本来の性能を引き出せていないのです。
プロのミュージシャンでもニギっている人がいますが、見た目重視であえてこの持ち方をしていることもあります。ただし、この裏で我々音響はハウリングを起こさないように非常に苦労しています。

我々のような音響がいないシチュエーションで、みなさんがマイクを使って話す機会も多々あると思います。そういう時は、ぜひ、マイクの持ち方に気をつけてみてください。

いかがでしたでしょうか?
6回に渡った弊社テクニカルスタッフ田村のマイクのお話。

講演会やイベント、コンサートなど、人が集まる場所で音は切っても切り離せない大切な要素です。
人間は視覚からの情報が多くを占めるため、ついつい映像や画像を効果的に使うことに意識が行きがちです。しかし、映像や画像が最悪使えない場合も、音がしっかりと聞ける状態であれば伝えることはできます。

その音の基本である声。
その声を効果的に届けるツールであるマイクは、話し手のみなさんの最強の味方です。

最後に、私がマイクを使う時に意識していることをお伝えします。
それは、口とマイクの向きです。

田村の話でお分かりのように、マイクの種類によって音を拾う角度が違います。普段よく使われている単一指向性は、マイク上部から音が入る仕組みで、真横(180°)からは音を拾いません。そのため、マイク上部から垂直に話せば一番音を拾いますが、そうすると、話しているときの息が当たって「ぼん、ぼん」という音が出てしまいます。これは、聞いている人にとって、とても耳障りで、内容に集中できなくなります。

そのため、私は自分の口元から拳一つ分ほど開け、口元から斜め下くらいにマイクが位置するように持っています。(下の写真参考)

時々、マイクに顎をつけて話している人や、マイクに口をつけて話している人を見ます。しかし、マイクは自分だけが使うものでは無く、次に使う人もいます。顎につけたり口につけたりすれば、皮脂や汚れ、唾液、女性であれば口紅やファンデーションをマイクにつけることになり、気持ちのいいものではありません。

また、あまりにマイクに近づいて大きな声で話してしまうと、音が割れてしまってとても聞きにくくなります。
逆に小さいと、マイクの音量を上げてハウリングを起こすことにつながります。

マイクを使うときは、自分の口元からの程度な距離や位置を本番前に確認することをおすすめします。そうやって事前に声を出すことで、緊張緩和にもつながります。

こういう使い方は、手に持って使うマイクも今回のTEDxで使われているヘッドセットタイプのマイクも同じです。

マイクは話し手の味方。
ぜひ、効果的に、かつ、丁寧に使うことを意識してみてください。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクはニギらないで!②

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。
今回お送りしているテーマは「マイクはニギらないで」ですが、本題に入る前に前回は「ハウリング」についてお伝えしました。今回はもうひとつの予備知識「マイクの指向性」についてです。

マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こうした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性は周波数によっても変化しますが、大きく以下のように分類できます。(下図参照) 

【無指向性(全指向性)】

どの方向からも同じ感度で収音するもの。置かれた場所に集まった音のすべてが、振動板に届いて電気出力となります。言い方を換えれば、マイク本体(振動板)の向きや角度に関係なく、音の大きさだけに反応する性格を持ちます。振動板の前方だけが音場に対して拡げられている構造を持ちます。

【単一指向性】

一つの方向からの感度が特に高いもの。カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドに大きく分けることができます。無指向性と構造が違うのは、振動板の後ろ側にも音の通り道として穴や溝が設けられている点。後方で鳴った音は、まずこの穴や溝から入って振動板の裏側に届きます(間接音)。同じ音は回り込み、少し遅れて振動板の表側にも届きます(直接音)。そこで、穴や溝から振動板の裏側までに障害物などを置いて間接音の速度を遅らせ、直接音と同時に到達するようにすると、この音は振動板の表と裏で同時に生じた同量のエネルギーとして相殺され、電気出力になりません。

前方で鳴った音は、まず先に振動板の表側に伝わります。その後の裏側への回り込みは、例の障害物によって到達がさらに遅くなります。この時間差によってエネルギーは相殺されずに電気出力されます。そのためこのマイクは、前方への単一な指向性を持つ事になります。後ろ側の穴や溝は前方の音を大きく捉えるためにあります。そして後方で鳴った音を、振動板の表と裏に同時に到達させるための障害物の設計が、マイクメーカーの工夫の見せどころとなります。

【双指向性】

正面と背面、二方向からの感度が特に高いもの。このマイクについての詳しい説明は今回は省きます。

次回は「マイクをニギる」の謎が解き明かされます。お楽しみに。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?
専門的な話になり、少し難しいと感じたかもしれませんが、これがマイクの持ち方に深く関わっています。

ただ、みなさんが普段使っているマイクの多くは単一指向性(中でもカーディオイド)です。どの角度からの音が入りやすく、どの角度からの音が入りにくいのかを知ると持ち方を考えるきっかけになります。

具体的な持ち方に関しては、次回に。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクはニギらないで!①

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクはニギらないで!
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

テクニカル事業部の田村です。前回に続いて「○○しないで!」というタイトルになってしま いましたが、今回からマイクの持ち方について書こ うと思います。

さて、今回のテーマ「マイクはニギらないで」ですが、マイクを握らないと持つことはできません。ここで言う「握る(持つ)」と「ニギる」は違うことを表します。
ちなみにこの「ニギる」という言葉 は、私が経験してきた現場では普通に使っていま したが、業界標準の言葉ではないのでそれはご承知置きください。


本題に入る前に予備知識を2つ説明します。それは「ハウリング」と「マイクの指向性」です。
まずは「ハウリング」です。ハウリングとは、マイクに入った音が増幅されス ピーカーから出て、そのスピーカーから出た音が再 びマイクに入り増幅されスピーカーから出てまたそ れがマイクに・・・と信号がループして発振し、「ボー」とか「キーン」などという音がすること を言います。スピーカーの前でマイクを使ってハウリングを起こした経験を持つ人もいるでしょう。

そしてもう一つ「マイクの指向性」です。マイクには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。こ うした性質が指向性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。指向性の詳しいことは、また次回。

弊社テクニカル事業部の田村のコラム。いかがだったでしょうか?

マイクの持ち方ひとつで、声の入り具合が違ってきます。
私もマイクを使う時は、とても気をつけています。

みなさんも、こんな経験はないでしょうか?
話している時に、「ボン、ボン」と音が入ること。これは、話し手の息がマイクに当たることによって出る音です。そういう人が話していると、聞いている人はなんだか落ち着きませんよね。

これは、話し手の話し方の問題ですが、それを緩和するマイクの持ち方というのがあります。それについては、次回の田村の指向性の話の後にお伝えします。

TEDxKyotoでは、登壇者の諸橋寛子さんのスピーチトレーニングを行いました。TEDxKyotoでの発表の様子。
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TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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マイクのスイッチの確認方法〜マイクは叩かないで!③

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えしています。

弊社のテクニカル事業部で音響専門の田村の話を元に、マイクの特性や使い方をお届けしていますので、みなさんがマイクを使って話をされる際の参考になさってください。

マイクは叩かないで!③
(ユナイテッドウェーブス合同会社 テクニカル事業部 田村尚)

前回までは、マイクの仕組みをお伝えし、なぜ、マイクを叩いてはいけないのかを書いてきました。

「マイクは叩かないで!」最終回はマイクを叩かずにスイッチが入っているか確認する方法です。

①話す
「えー」「あー」や、軽く咳払いをするなど、単純ですが最も有効な方法です。

②ガリ
たいていのマイクの音が入る部分は金属の網になっています。ここを爪でガリガリとひっかくことを「ガリ」といいます。声が出せない時など、こっそり確認したいときに有効です。

ただし、「フーフー」とマイクに息を吹きかけることは叩くことと同じくらいシステムに負担がかかるのでNGです。

3回に渡ってお届けした「マイクは叩かないで!」いかがでしたでしょうか?今後マイクを叩いたり吹いたりしないよう、ご協力よろしくお願いします!

 最後に小ネタですが、マイクを叩いたり吹いたりすることの由来は・・・

初期のマイクは「カーボンマイク」という2枚の板状の電極の間に炭素の粉を挟んだ構造になっていました。使用時にこの炭素の粉が固まっているときがあり、これを解消するために叩いたり吹いたりしたそうです。(諸説あります)

弊社テクニカル事業部の田村のコラムいかがだったでしょうか?

カラオケが広まったこともあるのか、マイクはとても身近な音響機材の一つになっているように思います。
そんな身近にあるマイクだからこそ、使うみなさんには、その特質を知って、より効果的に使っていただきたいと感じています。

明日からは、どう使えばいいのかを田村の話で綴っていきますが、私自身、マイクの使い方はとても意識している部分です。

「話す力」を高めるためのマイクの効果的な使い方。
ぜひ、みなさんもマイクを味方につけてください。

前回までのブログをご覧になっていない方は、こちらも参考にどうぞ。

https://united-waves.jp/wp/2019/03/07/マイクを味方に%E3%80%82〜マイクは叩かないで!①/
https://united-waves.jp/wp/2019/03/08/マイクは話し手の大切な道具〜マイクは叩かない/

諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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マイクを味方に。〜マイクは叩かないで!①

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

TEDxKyotoのスピーチトレーニングについて書いていますが、今日からは少しだけ離れてマイクの使い方についてお伝えします。

今回のTEDxKyotoでは、ヘッドセットタイプのマイクが使われましたが、皆さんが普段使うマイクは、手に持って使うタイプが多いのではないかと思います。
どのタイプのマイクでも、注意点やコツがあります。

私は、ユナイテッドウェーブス合同会社の代表も務めていますが、弊社は、私が担当するアナウンスや講師業務とは別に、音響専門の部署があります。今日は、その音響専門で、長年にわたり、イベントやコンサートを担当している弊社テクニカル事業部の田村の話をご紹介します。
みなさんがマイクを使う時の参考に、ぜひなさってください。

マイクは叩かないで!①
(ユナイテッドウェーブス テクニカル事業部 田村尚)

マイクを使って話す時、そのスイッチが入っているかどうか確かめるためにマイクを叩く人がいます。そういえば以前、マイクで人の頭を叩いた人がいたことを思い出しました。「マイクを叩く(マイクで叩く)」これは私たち音響担当者が最も嫌がる行為です。

そもそも本来叩く道具ではないものを叩くというのはあまりスマートな行為ではないですね。また、叩いた時にマイクのスイッチが入っていれば、スピーカーから「ボンボン!」と音が出ますが、これもあまり気持ちのいい音ではありません。

なぜマイクを叩くことがいけないのか説明する前に、マイクで拡声する仕組みを簡単に説明します。

音とは空気の振動です。その振動がマイクの中の振動板を振動させて電気信号に変換します。電気信号はミキサーなど各種機器を通り音質、音量が調整されアンプに送られます。電気信号はアンプでその後に繋がれたスピーカーを駆動するために増幅され、スピーカーの振動板を振動させ、その振動が空気を振動させて最終的に拡声された音になり聴衆に伝わるのです。

普段人と話す時、声が空気の振動なんて感じることはありませんよね?そんな小さなエネルギーが場合によっては1万人以上の人に届くようなエネルギーに増幅されるのです。

マイクを叩くのがなぜいけないのか?なんとなく想像がつきますか?

次回は、なぜマイクを叩いてはいけないのかをお伝えします。

弊社田村のマイクのお話いかがでしょうか?

弊社に限らず、音響スタッフのみなさんはステージを支えてくれている縁の下の力持ちです。ステージでは視覚要素の強い映像演出に目が行きがちになります。しかし、司会やスピーチも映像も、会場で流れているBGMや演出時のアタックなど、全て音がなければ成立しません。

音は目に見えないので、出ていて当たり前、聞こえて当たり前の要素になっています。そうやって誰もが当たり前に感じ、自然に感じられるというのが、音響のプロのみなさんの仕事のすごさなのだろうと思います。

私は、しゃべり手としてステージで話す立場ですが、現場で安心して話ができるのは、各現場の音響スタッフのみなさんのおかげだと、いつも感謝しています。

では明日もまた、田村のコラムをお届けします。

弊社ユナイテッドウェーブスでは、司会や企業研修・スピーチトレーニングとイベントやコンサートなどの音響業務も請け負っております。
お気軽にご相談ください。

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諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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話す力を磨くには声を出して練習しよう!

こんにちは。フリーアナウンサーの三島澄恵です。

先日、「ゼロから始める人前での話し方」というセミナーを開いてほしいというご希望を伺いました。以前は、何度か一般募集のセミナーを行っていましたが、最近はなかなか開催できずにいました。
今年はタイミングを見て、楽しく身につくセミナーを開催したいと思っていますが、ご興味のある方はいらっしゃるでしょうかね。

話し方のセミナーや研修中に、各自練習をする時間を作ると、恥ずかしさもあり、原稿とにらめっこしてぶつぶつと練習する人がほとんどです。

けれど話す力を磨くためには、しっかりと声を出して練習することが大切です。

それには大きく2つ理由があります。

1点目は、本番同様に声を出すことで、自信をつけることができます。
2点目は、声に出すことで、自分の声を自分の耳で聞いて間違いなどに気づくことができます。

2点目の耳で聞いて確認している点ですが、これは原稿作成やメールの文面作成の作業中にも役立ちます。私たちは、声に出すことで文法や言葉の違いなどを気づくことができるのです。
話したことを耳で確認しているというのは、いまひとつ実感が湧かない人もいるかもしれません。

例えば、こんな経験はないでしょうか?
携帯電話で自分の声が遅れて聞こえてきた時、その自分の声が気になって話しづらいと感じたこと。

日本の研究者が作った面白い装置で、おしゃべりを制御する装置というのもあります。これは話している自分の声が0.2秒遅れて聞こえる装置ですが、それだけで話しにくさを感じ、話している人はおしゃべりをいつもより短くやめるというのです。
この装置からもわかるように、私たちは声に出して聞こえてくる自分の声を聞いて確認していることが窺えます。

私も放送やナレーション、司会の時に、マイクを通した自分の声の聞こえ具合で、話しやすさは変わることを実感しています。だからこそ、何度も、本番を想定しながら練習をします。

本番の場は、想定しているよりも騒がしいかもしれません。し〜んと静まり返っているかもしれません。時々、思いもよらない音が入ってくるかもしれません。想定外のことがおきるかもしれません。
それでも、集中力を切らさず、自分の話したいことを話すには、本番までに練習を重ねることです。

話す力を磨くには、本番で何があっても動揺せず、自分の伝えたいことを伝えられるように、できる限り本番さながらに声を出して繰り返し練習を行うことです。それが、大きな自信につながり緊張を和らげる手助けにもなります。


話し方は、経営者やビジネスマン、学校の先生や研修講師、さらには、大学生、高校生、小中学生、未就学児までまで、幅広い方々を対象に行っています。
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