ハプニングを楽しもう!!

こんにちは。
フリーアナウンサーの三島澄恵です。

昨日は、練習は本番通り、本番は練習通りというお話を書きましたが、練習では予想もしなかったことが、本番では、多々起こり得ます。

今回のTEDxKyotoにおいても、本番でハプニングがありました。

その一つは、マイクの音。
もう一つは、観客の状態です。

今回のマイクはヘッドセットでした。
ヘッドセットの場合は、通常、話し手が自分でスイッチの入り切りをすることはありません。しゃべり始めに合わせて、音響の人が操作をして音声が入るようになります。

ただごく稀に、話し始めの音が入らないことがあります。
この多くは、音響の人のタイミングが遅れていたり、音声を入れ忘れているときに起きるのですが、話し手にとっては、この最初の音が入っていないと感じた瞬間に、焦りが生じたり、緊張が高まったりするのです。また、「このまま話し続けてもいいのだろうか?」などの不安も起きます。

もともと緊張で張り詰めた中ステージに立っているので、話し始めに不安が生じると、その後に影響することも多々あります。音響に限らずこのような周囲のミスは、私も幾度となく経験してきました。

もし今回のように、話し始めの音が入っていないと感じた場合の対策は、もう一度最初から話すということです。
また、もし、話し始めからしばらく入っていなかったら音響機器のトラブルも予想されるので、「マイクの音が入っていないようですね。どうでしょう?聞こえますか?どうでしょう?」などと繰り返し、自分の声が入ったら「改めて、みなさん、こんにちは。」とハプニングへの軽い一言を加えて、最初から話し始めるという方法もあります。

ちなみに、ハプニング対応のちょっとした一言で、会場の場も和んで観客の聞く意識を高めることもできますし、話し手自身も緊張の糸がほぐれることがあります。

マイクのトラブルは、基本的には音響機器などのトラブルによりますが、まれに話し手がマイク自体のスイッチを切っている場合もありますので、話し手も、自分がどんなマイクを使っているのかを知っておくといいかもしれません。

諸橋さんは、マイクのことは気にならなかったそうですが、観客の様子(聞いている状態)が気になったそうです。本番の諸橋さんを見ていましたが、緊張は感じられるものの堂々と落ち着いて最後まで話されていたので、この話を聞いて驚きました。

確かに客席の様子はリハーサルではわかりません。また、ステージから客席がどう見えていたのかは、話し手本人にしかわかりません。

スピーチを終えた諸橋さんに聞くと、本番では、椅子席の前とステージの間にクッションソファのようなラフな椅子が設けられていて、横たわって聞いている観客もいたということでした。

ステージはスポットが当たっているので、登壇者は観客の姿は意外に見えないものです。しかし、このクッションソファがあったステージの前あたりは、登壇者からも見えやすい明かりと位置だったこともあり、観客の聞いている姿が、より見えたのだと考えます。

この話を聞いた時、私がもし登壇者でも気になっただろうと感じました。
そういう状態で聞く人が座るというのを、話し始める前にわかっていれば、必要以上に意識することは無かったかもしれませんが、無いと思っていたものが急遽現れたり、逆に、あると思っていたものが突然無かったりすると、驚いてしまいます。頭に入れていた話す内容も、一瞬飛んでしまうこともあります。

以前私がとても焦った経験は、リハーサルまで使っていた司会台の手元明かりが、本番が始まって司会台に立つと、全く別物に変わっていたことです。
そのイベントでは、私の話し始めの際はステージも会場全体も暗めの照明の演出でした。司会用のピンスポットが当たるとはいえ、やはり手元に明かりが無ければ、台本を読むのに厳しく、リハーサルの時点で司会台に明かりを用意してもらいました。

手元明かりもいくつか種類があるので、リハーサルでその使い方をシミュレーションしていたのですが、本番で用意されていた明かりは、これまで使ったこともないもので、スイッチがどこにあるのかさえ不明。それでも明かりを点けなければ台本を読めないので、最初の覚えているフレーズを平然と話しつつ、手は明かりのスイッチを探していたこともありました。

今では、笑い話のひとつです。

今回のTEDxKyotoに限らず、イベントなどにおいてハプニングはつきものです。
想定していても想定通りにはいかないもの。
ハプニングが起きた時は、そのハプニングの流れに合わせて対応できるちょっとした心の余裕があると、ハプニングを味方につけてイベントがより面白いものになることもあります。

ハプニングが起きた時こそ、チャンス!
ハプニングを楽しもう!!

そのためには、やはり練習を重ねることです。そしてできれば、経験を重ねることです。
「何が起きても大丈夫!」と思えるくらいの練習と、様々な経験を重ねていけばハプニングはチャンスに変えられます。

そして、本番を楽しめるくらい心の余裕を持って臨めるようになりますよ。



諸橋寛子さんのTEDxKyotoでの発表の様子。
ご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

TEDxKyoto 2018 スピーカー 諸橋寛子さん

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